2021-01-01から1年間の記事一覧

ウメの発芽

季節外れの 11月半ばに、ウメが発芽して来ました。でも これは気候の温暖化のせいではありません。ウメの種子の発芽抑制機構を調べている過程で、偶然現れて来た現象でした。まだ 実験の途中ですが、紹介しておきます。 ウメの種子の発芽抑制 ウメは 2段階…

ヤマユリの種子の収穫

今年は20年近く前に、ヤマユリが気温の温暖化で消滅してしまってから、久し振りに種子の収穫が出来ました。それも 1個ではなく 7,8個は採れそうです。 耐暑性を持った株の栽培 以前にも何度か紹介しました様に、ヤマユリが温暖化で消滅してしまいました…

デワノマタタビのジャム作り

デワノマタタビは、これ迄は サルナシの変種と思われていましたが、サルナシとは別種のマタタビ属の植物で、主に日本海側の豪雪地帯に自生する植物です。その実は サルナシの倍くらいの大きさで、熟しても緑色で 淡白な味の果実です。栽培してみると 湘南の…

イスノキの虫癭

イスノキは 照葉樹林帯の常緑の高木で、九州南部の宮崎県などで良く見られる樹木です。この木には独特の虫癭が見られますので、それを紹介します。 材質 イスノキは 材がとても緻密で堅い木です。剪定した太い生の枝を水に入れると、浮かずに沈んでしまいま…

シイの実

10月に入ると、家の前のアスファルト舗装の道に、白い10cm程の円形の模様が、幾つも現れます。道に落ちたシイの実が、通る車に轢かれて出来た模様です。私の中では これを「シイの実マーク」と呼んでいます。同じ様なマークに、「クワの実マーク」が有り…

宿根ソバ

10月に入ると、庭の宿根ソバの花が咲き始めます。あまり知られていない 珍しいソバですので、紹介しましょう。 由来 明治の初め頃に、ルチンを採る目的で チベット辺りから、持ち込まれた様です。実際には使われなかった様で、その後栽培地から逃げ出し、…

ヤマイモのムカゴ

ヤマイモのムカゴが目に付く季節になりました。ヤマイモは掘るのは素人には無理ですが、ムカゴなら誰にでも容易に採取出来ます。それに味も芋とあまり変わりません。そこで今回はそのムカゴを紹介します。 ヤマイモ ヤマイモは日本各地の山野に自生している…

キン(金)モクセイとギン(銀)モクセイ

キンモクセイとギンモクセイは、共に古くからの園芸種の花木です。9月に入って住宅地を歩いていると、その強い香りで 花が咲き始めたことにすぐ気付きます。でも この二つの木ほど、巷間その由来を諸説語られる木は無いと思います。そこで私もその仲間に入…

栗拾い

クリの実が弾けて落ちる時期になりました。我が家のクリも先週から落ち始めましたので、その様子を紹介します。 クリの生き残り戦略 クリの実には 様々な生き残り戦略が隠されています。まず 果実を包む沢山の棘を持つイガは、発芽能力を持つ前に動物に食害…

ヤマブドウの実

我が家に植えたヤマブドウの実が色付き始めました。ヤマブドウは色付いたら食べられるわけではありません。平地には自生しないヤマブドウの栽培を紹介します。 ヤマブドウの自生地 ヤマブドウは中部地方以北の標高600~2000mぐらいの山でよく見られま…

両性花のサンショウの実の収穫

サンショウの実がそろそろ赤く色付いて来ました。熟したサンショウの実は、一般には使われる事は有りません。私は両性花のサンショウの実生株は、どの様な形態を現すのかを調べる為、その熟した実を採取しているのです。 両性花のサンショウ サンショウは雌…

イヌビワのジャム作り

山道を歩いていると、イヌビワの黑い実が目立つ様になって来ました。今年はイヌビワの成り年の様です。沢山採れそうなので、久しぶりにジャムを作ってみました。 野生のイチジク イヌビワは名前に枇杷が付いていますが、種としてはイチジクの仲間です。イチ…

ミヤママタタビの種蒔き

7月に採取したミヤママタタビの種子の前処理が終わりましたので、その種蒔きの様子を紹介します。 ミヤママタタビ ミヤママタタビは、日本に自生するマタタビ属の1種で、最も標高の高い所に自生するので、この深山と言う名が付けられた様です。中部地方で…

樹木に優しい支え方

今年も台風の季節が近づいて来ましたので、樹木が風で倒されない様支えが必要です。この支え方を誤ると、返って木を痛めてしまう事にもなりかねません。ではどの様な支え方が木にとって優しいのか紹介します。 失敗例 我が家の庭に、揷し木苗から育ったサン…

最近の害虫事情

我が家では害虫を駆除するのに、農薬は一切使いません。害虫は全て手で捕まえて駆除しています。この方法はとても大変ですが、害虫の発生状況を正確に把握出来ます。その害虫の発生状況に、最近変化が見られますので、その変化について紹介します。 虫の捕り…

ハコネサンショウバラの種子

今年はハコネサンショウバラの実が良く目立ちます。花が沢山咲いた訳ではないのですが、開花と受粉する虫の発生時期が上手く合ったのでしょうか。この変わった種子についての考察を紹介します。 家に植えた経緯 二十数年前に箱根を歩いている時、ハコネサン…

寄せ植え状態の発芽苗

我が家の庭は色々な植物でもう一杯なので、種蒔きの容器を沢山置く余地があまり有りません。そこでどうしても色々なものを一つの箱に一緒に蒔いてしまいます。謂わば「寄せ植え」に模した「寄せ蒔き」です。その箱に色々なものが発芽してきましたので、紹介…

ヤマユリの開花の続報

庭の遅咲きのヤマユリが咲き始めましたので、その状況を紹介します。 ヤマユリの開花時期 我が家で耐暑性を持つヤマユリは、現在2系統有ります。早咲きを「ヤマユリA」と遅咲きを「ヤマユリB」と呼んでいます。ただ早咲きはその通りなのですが、遅咲きは…

ヤマシャクヤクの種子

7月に入るとヤマシャクヤクの葉が弱り始めて、種子も熟して鞘が割れ始めますので、その種子の様子を紹介します。 鮮やかな種子の姿 ヤマシャクヤクは花が咲いた後に、2〜4個の鞘を付けます。その数はその株の前年の葉の状態によって決まります。鞘の中の種…

種間雑種のユリ

我が家の庭に品種はよくわからないユリですが、毎年良く咲いてくれるユリが有ります。今年も立派に花を咲かせてくれましたので紹介します。 入手の経緯 7,8年前に、夏の暑さに耐えるユリの栽培法を調べていた際、その実験に使う目的で、知り合いのユリの研…

ベニスジの花

ヤマユリの変種にベニスジと呼ばれている花が有ります。今年も我が家で、このベニスジが咲きましたので紹介します。 入手の経緯 十数年前にユリの研究者から、ベニスジを1株分けて頂きました。そのベニスジは、その方が横須賀の栽培家から入手した株の木子…

ヤマユリの開花

ヤマユリの開花の時期になりましたので、その開花状況を紹介します。 ヤマユリの種類 我が家には現在3系統で総数50株以上のヤマユリが栽培されています。この3系統のユリはすべて、自生地から採取した株が暑さで消えてしまった後に、それらが残した大量…

ザロンバイの実の収穫

庭の実の収穫用の2本目のウメが収穫期になり,先日それを収穫しましたので,その状況を紹介します。 収穫時期 このウメの実は、実の大きさに比べ種子が小さく皮も柔らかいので,梅干し用に使っています。梅干しにすると、白加賀等の一般の梅干し用の梅に比…

ノカンゾウの花

そろそろユリの花が咲く時期になりますが、それに先駆けてノカンゾウが鮮やかな橙色の花を咲かせますので紹介します。 雑草以上の逞さ もう20年以上前に家人が入手して植えた草ですが、植えた場所が落葉樹の下で日当たりもそれほど良くなく、肥料も与えず…

ジャガイモの花

ジャガイモ畑一面に可愛い青い花が見られる季節になりました。でも花の後に実がなっているのを見た事がありません。何故なんでしょう。今回は芋類の花と実について見てみましょう。 芋類の花 身近に見られる食用の芋類としては,ジャガイモ,サツマイモ,サ…

ナンテンの花

ナンテンの花の季節になりました。普段よく目にする花ですが、よく観察するとちょっと変わった咲き方をしますので、紹介します。 開花順序 ナンテンの花房は1房に150〜200輪の花を付けます。小さい蕾が大きくなって白くなる迄は、全ての花が同じ様に成長が進…

セイタカヤマシャクヤクの開花

ヤマシャクヤクから遅れること一月半ほど経った5月中旬に、やっと比較用に植えたセイタカヤマシャクヤクが咲きました。 この株の栽培目的 7年前の秋に取り残してしまったセイタカヤマシャクヤクの実が1個有り、他の種子は既に蒔き終わっていたので、ヤマシ…

サンショウとウメの実の収穫

サンショウとウメの実を収穫しましたので紹介します。 サンショウ 10数年前に庭の隅に自然に生えて来た野生のサンショウが有ります。数年前から実を沢山付ける様になりました。それまで家では実は食べていませんでしたが、せっかく実が採れる様になったので…

庭の木の花

春に咲く庭にある山の花木を紹介しまず。 ハコネサンショウバラ 二十数年前に箱根で実を拾って、種子を蒔いたものです。中々花が咲かず17年目にやっと花を咲かせました。その後は毎年花を咲かせていますが、今年は少な目です。自生地は標高5,600m以上の山地…

ウメの実のその後

ウメの実がだいぶ大きくなって来ましたので、その様子を紹介します。 トウジバイ このウメは珍しい形質を3つも併せ持った非常に珍しい株です。一つ目は冬至の頃花が咲き始める早咲き性、二つ目は実が梅雨明け頃まで青さを保って落ちない青梅性、三つ目は強…