ミヤママタタビの種蒔き

7月に採取したミヤママタタビの種子の前処理が終わりましたので、その種蒔きの様子を紹介します。

ミヤママタタビ

ミヤママタタビは、日本に自生するマタタビ属の1種で、最も標高の高い所に自生するので、この深山と言う名が付けられた様です。中部地方では、標高1400〜2000mの高い山に自生しています。花の時期に枝先の葉が桃色に色付いて良く目立ちます。特に雄株は鮮やかに色付きます。果実は9月中旬に熟しますが、手の届き難い高所で、その数も多くは付きません。これを平地で栽培するには、直射日光が1日3時間程になる様にしてやれば、良く成長し花も良く咲きます。

受粉

でも受粉をしてやらないと実が付きません。手元に花の咲くミヤママタタビの雄株が無いので、キューウィの花粉を掛けています。種は違いますが同じマタタビ属なので、とても良く実が付きます。その量は自生地の株の3倍以上は採れます。

種蒔き

毎年実が採れると、大きい実を2,3個選んで種子を取り出して蒔いてみました。でも1株も発芽しませんでした。この種子はキューウィとの種間雑種になるので、発芽能力が無いのかもと考えました。でも念のため去年は種子を家の冷蔵庫の冷凍室に3週間入れた後、冷蔵室に1週間入れてみました。その種子を、平らな容器にティッシュペーパーを数枚敷き、それに水を含ませてその上に蒔いて、更にその上にティッシュペーパーを1枚掛けておきました。その容器に紙の箱を被せて暗くして、時々蒔き床が乾かない様水を掛けながら観察しました。でも1ヵ月経っても全く変化は見られませんでした。

その後の処置

低温処理をしても種子に何の変化も無かったので、諦めて捨てようかと思ったのですが、でももしかしたらと思い、色々な物を纏めて蒔いておく箱に、ティッシュペーパーのままそっと置いて上から少し土を掛けておきました。殆ど諦めかけていましたので、蒔いた事もすっかり忘れていました。

発芽

同じ箱にヤマブドウの種子を3個蒔いておきましたので、その発芽が気になって見ていると、あちこちから同じ様な芽が出て来るのを見て、やっとミヤママタタビを蒔いた事を思い出しました。どうやらこの種子は種間雑種でも、発芽能力を持っていた様です。ただこの種子は母方が高山植物なので、普通に蒔いても発芽出来なかった様です。低温処理はその休眠状態を破った様ですが、でも直ぐには発芽せず翌春まで待っていたのでしょう。

低温処理の効果の確認

ただ本当にこの低温処理により発芽したのか、それを確認する必要が有ります。そこで今年も同じ蒔き床を作ってみました。結果は来年の4月に判ると思います。またミヤママタタビの雄株の花粉を掛けた種子も、平地の暖地では同様に低温処理をしないと、発芽出来ないのか確認する必要が有ります。ただそれには今育てているミヤママタタビの雄株が、花を付けるのを待たねばなりません。

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ミヤママタタビの種子をティッシュペーパーは蒔いた状態

 

次回はイヌビワのジャム作りを紹介します。