今年最初のボタンの開花

今年は春の花の開花が遅くなっています。ボタンも今年は開花が遅く、去年より10日から2週間遅くなっています。

f:id:tanemakijiisan:20240413154914j:image今年初めて開花した実生株で、4月13日の状態です。ただ この実生株は、普通のボタンとちょっと違っていて、寒ボタンに見られる 二季性の形質を持った株のようです。この株は 2年前の7月に、誤って幹を根元から切られ、その後9月に根元から 3枚の葉を広げて、その葉は そのまま冬を越して 去年の春迄残り、春に出て来た新葉と入れ替わる様にして枯れました。去年の春には 2本の幹を出して、花は付きませんでしたが 大きく葉を広げました。その葉が枯れた秋には 芽を出さない普通のボタンに返り、この春に初めて花を咲かせたのです。

同じ様な現象を現す株が再度出現

去年の9月に 実生株の中に、根元から 3枚の葉を出している株を見付けました。その株を良く調べてみると、去年の春に出て 大きく育っていた幹が、原因は不明ですが 根元から枯れていたのです。前の年に 秋に葉を出し 今年咲いた株と、原因は違いますが この状況がとても良く似ています。その株の葉も そのまま冬を越して、今は 春に出て来た新しい葉と 入れ替わる様に枯れ始めています。

f:id:tanemakijiisan:20240412182033j:image4月11日の状態で、枯れかけた去年出た葉が まだ残っています。ここ迄は 先の今年開花した株と全く同じなので、今伸び始めている葉が 十分大きくなれば 来春には花を咲かせると思います。

二季性との関連

普通のボタンは 夏の間に 何か重大な問題が起きても、秋に新芽を出して来る事は有りません。二季性の寒ボタンは、春の花を咲かせない様に摘蕾して 株に養分を蓄えておき、秋に新芽を出させているのでしょう。この二季性の形質は 全てのボタンが持っている訳では無く、一部のボタンだけが持っているのでしょう。でも その二季性の形質を持っているボタンは、必ず 二季性を現す訳でも無い様です。

ですから この二つの株は、二季性の形質は持ってはいるが 普段は現さず、異常な事象に遭ったので その形質が現れたのかも知れません。この二つの株は、多分同じ年に播いた実生株だと思いますので、もしかしたら 同じ親株から採れた種子の実生株かも知れません。

後から見つかった方の株が 来年花を付けたら、この二つの株を 相互に交配して種子を採り、その実生株が 二季性の形質を強めるか 調べてみようと思います。そこで 早速今年咲いた花の雄しべを採取して、乾燥剤を入れた小瓶に入れて密封し 冷凍室に保存しておきました。来春に初めて咲き始める株の方が 先に開花した時に、この花粉を受粉に使う為のものです。でも 開花順序が逆に 今年咲き始めた株が先で、来春に始めて咲き始める株の方が 後になった時には、もう一年待たないと 相互には受粉出来ません。同時に開花してくれれば 前年の花粉を使わずに 相互に受粉出来るのですが、多分そう上手くは行かないと思います。

花の色

ボタンを播き始めた頃は 濃い赤紫の花が多かったのですが、代を重ねていくと この花の様な淡い紫色の花が多く出て来る様になりました。白の花が最も少ないのは 変わり有りません。花の色を選んで交配している訳では有りませんので、この色が 遺伝的に本来の色に近いのかも知れません。