ナツメの実 No412

ナツメは 以前から名前くらいは 知ってはいましたが、花を良く見たり 実を食べたりした事も無い、全く馴染みの無い樹木でした。でも 運転免許を返納してから 近所を良く歩く様になったので、近くの旧街道の緑地帯に 幹の直径が15cm程 樹高3m程の、ナツメが植えられているのを見付けました。常識的には 道路管理者が 街路樹として1本だけ植えたとは考えられず、近隣の樹木に関心の高い人が 其処に植えたのだろうと思われます。花は目立たない地味な物ですが、この時期の若い実は 葉と同じ緑色ですが、良く見ると 直ぐに分かる大きさで 沢山着けています。果実は 熟す前の今頃から 路面に落ちているのを見掛けますから、上を見て歩かなくても 熟す時期は 見逃す事は有りません。

果実

f:id:tanemakijiisan:20260819143207j:image 8月中旬の ナツメの実です。ナツメの実が どんな味の物なのか、今年は実が熟したら 忘れずに 食べてみようと思います。ただ この辺りの街路樹は 毎年8月下旬には、病害虫防除の消毒が行われているので、実を食べる際は 洗剤で丁寧に洗浄しなければなりません。

今の様に お菓子が豊富に無かった 戦後暫くの間は、子供達が おやつ代わりに 食べていたと言う話しを 聞いた事が有ります。お菓子や果物が 沢山出回る様になってからは、見向きもされない様になったと言う事は、多分そんなに美味しい物ではないのでしょう。それに加えて 果物としては 種子が大きく 周りの果肉が少ないのも、果物として扱われなかった理由なのかも知れません。

似た様な食べられ方をした果物として ザクロが有りますが、此方は 今は生食用として出回らなくても、薬効を期待して 加工食品として扱われています。ザクロは 今は果物店の店頭で見掛ける事は有りませんが、私も子供の頃 良く食べていた記憶が有ります。今の中年以下の人で、おやつ代わりに食べた経験の有る人は 殆ど居ないのでしょうね。ナツメは ザクロに比べ 庭や畑に植える人が ずっと少ないので、食べた経験の有る人はまだしも その存在を知る人も 殆ど居なくなってしまいました。

最近の若い人で ナツメは勿論の事、グミやクワの実やシイの実等の野性の木の実を 食べる人は殆どいません。でも ナツメが 茶道具の容器の名称に残っているのは、実の形が似ているので 野趣や風流を好む茶人達に 登用されたからでしょう。

自家受粉

一般的に 自家受粉する樹木は 少数派なのですが、歩いている範囲では ナツメは見た事は有りませんので、このナツメは 良く自家受粉する株と思われます。親戚や知り合いの中にも ナツメを植えている方は 居ませんので、全てのナツメが 良く自家受粉するのかは分かりません。ウメでも 自家受粉する品種は少ないのですが、品種に寄っては ザロンバイの様に 猛烈に自家受粉する株も有りますから、ナツメでも 株に寄っては 良く自家受粉する者が居ても不思議では有りません。この株もそうなのかも知れませんが、他の株を知らないので その真偽の程は分かりません。

種播き

2,3年前に その株の下に 数個落ちている実を拾って、鉢に播いておいたのですが 残念ながら発芽しませんでした。今年は 実を食べた種子を 水に浸けて 沈んだ物を10程播いてみようかと思っています。

 

パイナップルの苗その後 No411

3月26日に 「パイナップルの植え付け No377」で 投稿した苗に付いて、その後の様子を投稿します。道路に面した法面の石垣に 穂先を植え付けた後 5月には 根が伸びて、成長を始めると 予想していたのですが、石垣の下の土壌迄は10cm以上有るので そこに根が届くのに時間が掛ったらしく、葉は5月になっても 葉は伸び始めませんでした。6月に入ると エルニーニョの影響か 気温が上がらず、中芯の芽が 枯れて腐って 抜けてしまいました。その後 葉の先が 少し枯れて来ましたが そのまま見守っていると、7月に暑さが戻って来ると 中心部に 新たな新芽が出て来ました。

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枯れた部分より下の幹から 新たに枝を作った 新芽なのでしょう。パイナップルは 雑草の様な とても強い草なので、気温さえ高ければ かなりの障害を乗り越えて、生き延びる力を持っています。その繁殖力は 栽培法から見ても分かりますが、実が完熟して 刈り取ると 株の周りから沢山芽を出して来て、それ等を掻き取って 挿して置くと 苗になって 新たな株を作ります。

この後の成長予想

この株は既に 石垣の下の土壌に 根が届いていると思われるので、この温暖化で これからどんどんと葉を伸ばし、その出て来る葉は 段々大きな物になって、秋の終わりには かなり大きな株になっていると思います。寒さが来る頃には 長さ50cmくらいの葉が出る株になっているかも知れません。冬が無ければ そのまま成長を続けるのですが、晩秋の低温で 成長を止めてしまいます。もし 温室内や亜熱帯であれば 直径2m程に葉を広げた株になり、2年目には 大きな実を成らせます。

でも 此処は温帯ですので、大きく伸びた葉は 寒さに遭うと 日焼けして赤くなり、酷くなると 大きな葉は枯れて 今の新芽の状態に迄逆戻りして、又来年の春からやり直しになってしまいます。もし 日焼けした状態で止まって 何とか冬を越す事が出来れば、来春には 寒さ障害の回復は かなり期待出来るのです。

防寒方法

パイナップルの露地栽培は 未だやってみた事は無いのですが、冬の防寒方法として 株にプラスチックの硬い網を掛けて、その上に 厚さ0.01mmの薄いポリエチレンシートを掛けて、飛ばない様に 荷造り用の紐で 厳重に固定する 防寒をしてみようと考えています。この方法で 冬を越せたとしても、低温障害の影響が残って 普通の大きさの実は 期待出来ないのですが、小さい実ならば 何とか採れるかも知れません。以前 温室でパイナップルを作った時から、この半世紀の間に 温暖化が進行し、夏の気温が 異常な程の高温になり 夏の期間も 長くなって、亜熱帯の植物は 夏期は勢いよく成長する様になりました。でも 温暖化は 年間の平均気温の上昇をもたらしますが、他方 荒れた気候になり 冬季には 短期間ですが 局地的な 厳しい低温も もたらします。この低温に遭うと 夏期にせっかく良く成長した亜熱帯の植物を、致命的に痛めてしまうのです。もし この様な簡易な防寒法で 収穫出来たら、温暖化が始まってから 初めて露地栽培が出来た パイナップルの第一号に成りますが、この気候変動を 喜んで良いのやら 恐れて良いのやら。

開花と種子

パイナップルは 株が大きくなると、中心部に花芽を出して来ます。握り拳程の 実の周りに 薄紫色の小さな花が 下から上に咲き上がって、それが枯れると 菱形模様の外周になり 実が膨らんで来ます。この模様が 松笠に似て 林檎の様な味がするので、「松笠・林檎」即ち 「pine・apple」と呼んだのでしょうね。完熟した印は 下の方の菱形の隙間から、蜜が滲み出て来て 甘い香りがして来ます。商品として出荷するには 完熟していては 扱えないので、完熟する前に刈り取って 出荷しますが、自家消費するのであれば 完熟させた方が とても美味しく食べられます。

種子はどんな物か知りませんが パイナップルを食べていると、時々 皮の近くに 2mmくらいの 小さな黒い粒が入っていますので、それが種子かもと思って 何度も播いてみるのですが、未だ一度も発芽した事は有りません。やはり 園芸種なので バナナの様に 発芽能力を持った種子は 出来ないのでしょうか。

例え 小さい実を作る事が出来ても、自家受粉では 種子は出来ないのかも知れませんね。

 

 

 

ミツバアケビ No410

今年も ミツバアケビの実が 1房だけ成りました。この株に付いては 何年か前に、花と実に付いて投稿した記憶があり 少し重複する内容も有ると思いますが、消えずに頑張っていますので もう一度 投稿しました。

f:id:tanemakijiisan:20260809202844j:image この株は 種子を播いたり 苗を植え付けたものでは無く、多分 鳥が此処に糞をして 播かれた種子が育った物です。この株が 蔓を伸し始めた時は、丁度 木性蔓植物の 早期に花を咲かせる誘引実験をしていた時期でした。この株は 実験するのに都合良く 道路に面した法面の上部に生えていましたので、この実験に使ってみたのです。

誘引実験の結果

その実験方法は、蔓を根元から30cm程 真下に誘引して、その先を水平に誘引するやり方です。幸い 日当たりの良い法面でしたので、誘引した翌年には 期待通り 沢山の花を着けました。ただ 花は咲いても 実の方は、僅かしか成りませんでした。野性の実生株なので 普通に生えていれば、花が咲き始めるには 十数年は掛かるのですが、生えて数年もせずに 咲き出したので この誘引操作は、ミツバアケビにも 明らかに効果が有る事が立証出来ました。

更に アケビは ヤマブドウやサルナシ等 他の木性蔓植物に比べると、この誘引操作に とても敏感で 下げ幅が30cm程と短くても 効果が出る事も分かりました。

この誘引効果を確認する事が 目的だったので、その後は この株をあまり手入れする事も無く 適当に管理していましたが、それでも毎年実を着けて 多い年には、5,6房も着けていました。野性の蔓植物は 放置すると、周りの木に絡み付いて 木を痛めてしまいますので、この株も 強い剪定で 刈り込んでいました。でも さすが野性の実生株で そんなに切られても 枯れて消える事も無く、毎年 実を着けているのです。ただ 根元から上に伸びた蔓には 花を着けず、実が成っているのは 全て下に誘引した蔓でした。

3つ葉と5つ葉の違い

アケビには 3つ葉と5つ葉の2種があり、自生地の分布は ほぼ同じで 形質も良く似ています。この誘引法は 最初イツツバアケビの栽培中に 着花と誘引形の関連に気付き、その後 他の木性蔓植物で実験して その関連を確認し、ミツバアケビに付いては この株で実験してみたのです。この3つ葉と5つ葉の違いを 人間の側から見ると、その価値や使い勝手は違っていて、果実や蔓や新芽は ミツバアケビの方が 価値が高い様です。

私は ミツバアケビの果実は、中の白くて甘い綿状の部分を食べて 中にある黒くて堅い種子は 口の中から吐き出しますが、周りの分厚い皮は 我が家では 肉詰めにしてオーブンで焼いて食べています。味は ゴーヤに似た ほろ苦い味がして、美味しく食べられます。イツツバアケビの果実は 未だ食べた事は無いので、本当に不味いのか 今度機会があれば食べて 比較してみようと思います。

アケビの蔓は 籠や飾り物等に編む素材として 使われていますが、イツツバアケビの蔓は 肌がゴワゴワと荒くて 堅く、 ミツバアケビの方は 肌が滑らかで 柔らかいので、編むには 専らこちらの蔓が使われています。

“木の芽“ と言えば サンショウの新芽が 一般的ですが、新潟県の一部では ミツバアケビの新芽を指していて、その先端部を採取して 山菜として食べられています。

 

カンナの実 No409

良く通る細い抜け道の脇に、カンナが毎年花を咲かせています。民家の垣根の外なので、近くの方が 通路の端に 植栽されたのでしょう。

f:id:tanemakijiisan:20260805101946j:image 特に手入れは されていない様で、半ば野生化している感じですが、それでも 毎年良く花を咲かせて 通行人の目を楽しませています。花も綺麗なのですが、今年は何となく 実の方が気になりました。花の最盛期は もう過ぎていますので、花後の実が 目立つ様になったので 気付いたのでしょう。

f:id:tanemakijiisan:20260805103508j:image 花後に子房が膨らまない物も有るのですが、膨らんでいる物の方が多い様です。膨らんだからと言って 中に種子が出来ていると言う訳ではなく、その後に 茶色になっている物も多く見られます。茶色になった実を 指で摘んでみると、簡単に潰れてしまうので 中に種子は稔っていない様です。多分 今緑色の実も 殆どは 大きくならず、茶色になって 枯れてしまうのでしょう。

カンナは こんな大きな目立つ花を咲かせるので 虫媒花の筈で、一般の植物の様に 自家受粉は しないのでしょう。今は その媒介をする虫が 殆ど居なくなってしまったので、たとえ近くにカンナが植えてあっても 他家受粉は期待出来ません。今迄は カンナは 花は良く見ましたが 実など 全く気にもしませんでしたので、実が こんなトゲトゲの有る外形とは知りませんでした。私は 熟した実が どんな物か分かりませんので、当然 熟した実の種子を見た事も 一度も有りません。

植物の中には 自家受粉で繁殖する種も有りますが、一般的には 自家受粉を避ける種の方が 多いのです。その様な植物でも 自家受粉では 完全に種子が出来ない訳では無く、文字通り “万が一“ 位の確率で 実を作る場合があるのです。それは 植物の生存戦略として 絶滅を避ける為に、その様な “不完全さ“ を持っているのでしょう。私の経験では 理論上種子が出来ない筈の、ヒガンバナの実を見た事も有ります。

無理とは思いますが、でも カンナの種子は どんな物か 見てみたいですね。これから この道を通る時は、もしかしたら 実が熟していないか 念の為見て 通ろうと思います。

 

 

 

 

 

 

今期最終のヤマユリの開花 No408

家の前の道路の擁壁の上の法面に、ヤマユリの温暖化対策第2世代の余った株を、自生地への植え付けの試験を兼ねて 植え付けました。その法面に植え付けた株の内 今年は 2本が蕾をつけたのですが、1本は 蕾が現れた頃に コウモリガに喰われて枯れました。残った1本が 7月30日に 今期最終のヤマユリの開花となりました。

f:id:tanemakijiisan:20260731112545j:image この株の周りには 4本ほぼ同じ大きさの株が生えていて、内1本だけに 蕾が着きました。この大きさならば 全ての株に 蕾が着いてもいいのですが、この集団は かなり大きくならないと花を咲かせない晩成の形質を持っている様で、今年は1株しか花を咲かせなかったのでしょう。更にこの集団には 開花時期が遅いのと、葉に黄ばみが出ないと言う 2つの形質も含まれています。

この集団の中で 唯一蕾を着けた1株は、蕾が5cmくらいになる迄は 前の写真にある様に、他の3株と同様に 全く葉に黄ばみは見られませんでしたが、蕾が大きくなると 急に変化が現れました。

開花時に起きた変化

f:id:tanemakijiisan:20260731112615j:image 前の蕾の写真から 2週間後に 開花した時の草姿です。蕾が大きくなるに従って 蕾の傍の2,3枚を除き、葉が黄ばみ始めて 開花した時には 根元の方は落ちてしまう変化が、この株だけに現れました。もう一つ 普通のヤマユリと異なる点は、花は水平に咲くのですが この花は下を向いて咲いている事です。株が弱っている為に 幹が下に傾いたか 咲く前の蕾を水平に持ち上げる余力が無かったのでしょう。ユリは 上手く受粉出来れば、花後の子房を 2週間もすれば 真上に向けるのですが、この株は そこ迄やれるかどうか分かりません。

これ等の変化は 蕾が大きくなる事と、密接に関連している様に見えます。鉢植えの株でも この様な現象が起きていたのですが、比較する株が隣接して存在していなかったので その関連に気付かなかったのでしょう。鉢植えの株の中に 去年分球して2本になり、2本共 1輪づつの花を着けた株が有りました。もし この現象に付いて知っていたら、この現象を確認する絶好の機会だったので、片方の蕾を小さい内に摘蕾して その後の様子を比較出来たのです。もし今度 分球が起きた時には 必ず実験してみようと思っています。

この現象を起こす要因

最も大きな要因としては 温暖化による高温ではないかと思います。温暖化により この地域では 普通のヤマユリは もう育ちません。少し耐暑性を持った株でさえ 既に育たなくなっています。

他に考えられるのは 日照の強さで、この株でも もし木洩れ陽の指す程度の場所であったならば、葉が黄ばむ事無く 元気に花を咲かせたと思います。

ユリにとって 花を咲かせる行為は 想像以上に負担になる様で、高温の状態で 蕾が5cm以上になると、葉の養分迄 使ってしまうのでしょう。ただ これ等も根本的には 異常な高温により引き起こされた現象で、今年は6月中の低温で 高温障害は起きないと思ったのですが、現実には 今年も確実に温暖化は進んでいる様です。

今後の予想

今回この現象が現れた 直植えと鉢植えの株は、耐暑性をかなり持っていますので 今年の高温でも 枯れなかったのですが、健全な葉が殆ど無いので 健全な種子が採れるか分かりません。もし 種子が採れたとしても、地下の球根は 種子に養分を使ってしまい 小さくなって、来年の花は着けない株になってしまうでしょう。

去年迄は 秋迄葉が濃い緑色を保った、強い耐暑性を持った株が かなり有りました。でも 今年は 花を着け無かった株を含め 全体の耐暑性を見ると、この温暖化に耐えられなくなった株が 殆どになった様に見えます。この株の蕾時と開花時の 2週間の間に、全体の株の 葉の緑色の濃さの変化は 写真で比較しても分かる通り、短い期間でも かなり黄ばんで来ています。今年は 秋迄しっかりと濃い緑色を保って、この更に厳しい温暖化に耐えて残る株は、僅かだけになると思います。これからは もっと実生株の数を増やして、その中に この温暖化に耐えられる耐暑性を持った株が現れるか 試してみなければなりません。

この様な気候は 今年だけが異常な温暖化なのでは無く、“今年から 更にもっと温暖化する始まり“ なのかもしれません。そうなれば ヤマユリは平地から消えて、標高の高い所にだけ咲く「高山植物」になるのでしょう。

 

ヤマブドウの実生株 No407

ヤマブドウの 一昨年と去年 種播きした株の 現在の様子を投稿します。このヤマブドウは 雌株ですが、自家受粉で 実を着けている株です。ただ 自家受粉が難い為か 普通の大きさの実は 疎にしか着きません。殆どが小さな実のショットベリーになりますが、自家受粉は しているのではと思われます。僅かに着く普通の大きさの実は、毎年 種子を採って 播いています。発芽率は 5割くらいで、野生の樹木の中では かなり高い方だと思われます。

今年発芽した苗

f:id:tanemakijiisan:20260729183737j:image 上下の2基のプランターに播いた、発芽1年目のヤマブドウの実生株です。7月下旬になると 発芽した苗の半分以上が、生育競争に負けて 枯れて行きます。今残っている株の 更に半分くらいしか 長い蔓は伸ばせません。

去年発芽した苗

f:id:tanemakijiisan:20260729193956j:image これが一昨年播いた 発芽2年目の苗です。1m程伸びた蔓が 3本有るのですが、ウメの実生株も 3本生えていて、長く伸びた蔓は 頂部の芽を残して 下の芽は掻き取っていますので この画面には写っていません。伸びた蔓の新枝は、今年は更に1m程伸びています。

本来であれば 発芽した苗は 発芽1目の秋に、直植えするか 1株毎に 大きなプランターに植え替えるのですが、我が家ではそんな畑も余地も全く無いので、混植したプランターで 我慢して貰っています。

実生実験の目的

この様に毎年種子を播いている訳は、この親株の持っている自家受粉性を その実生株が どれ程引き継ぐか、又は更にその自家受粉性を強めた株が 現れるかを確認したいからです。でも 野生の樹木は 発芽してから成木になって、花が咲いて 実を着ける迄には、とても長い年数を要します。雌雄別株の樹木では ようやく花が咲いても その半数は、せっかく長期間かけて栽培したのに 実を着けない雄株になります。ヤマブドウでは 実生株で それを確認した事は 未だ有りませんが、10年以上経って 花が咲く様になっても 初めの内は 実を結ばず、実を着ける迄には 多分10数年掛かると思われます。でも その実の成り方が 重要なので、それを確認したいのです。挿し木した枝でも 挿し木による若返りの為、実が成る様になるには 10年くらいは掛かります。

実生株の確認法

幸い ヤマブドウの場合は 木性蔓植物なので、この期間を短縮する方法が有ります。それは 蔓の根元近くを 1m程垂直に下げて その先を水平に誘引し、その状態で 一夏十分に日照を与えると、翌年に水平に誘引した枝から出る芽は 全て結果枝になるのです。ただ 花は咲いても 直ぐには実がならないのが難点ですが、雌雄の判定は 早期に出来ます。

今年は この方法で 4年前に挿し木した苗を 試していて、来年には その結果が出る筈です。ただ この様な実験が出来る場所は 我が家には 1ヶ所しか無いので、毎年順番に 1基づつしか 実験が出来ません。来年は 先に紹介した2番目のプランターを、その場所に移動して 実験をする予定です。

ヤマユリの耐暑性の選別法の見直し No406

今年は ヤマユリの温暖化対策第3世代の種子の採取を断念しました。理由は 今年咲いた 温暖化対策第2世代の耐暑性の状況を見ると、選別した時には 耐暑性が強いと見えても 花が咲いた時には、葉が黄ばんで来る株が多いからなのです。

耐暑性の判定の難しさ

f:id:tanemakijiisan:20260724214515j:image この2株は 去年分球した株で 7月24日に開花し、今年開花した中では 2番目に遅い株です。開花の時期が遅い方なので 耐暑性が強いのではと 期待していたのですが、残念ながら 耐暑性は 期待した程強くは無い様です。この2株は クローンで 大きさもほぼ同じなのに、葉の枯れ具合から見ると かなり違って見えます。左の株は 葉は何となく黄ばんでいても 殆ど残っていて 耐暑性が強い様に見えますが、その実態は 右の株の様に 何時葉が黄ばんで落ちてしまうかわからない耐暑性の弱さを秘めていると言う事なのです。この株は 播き床に在った時は 10月迄 葉がしっかりとした株で、去年も 秋迄葉がしっかりと残った耐暑性の強い株に見えたのですが、現状から見ると そうでは無かった様です。これ等の事象から分かる様に ユリの耐暑性の判断は 一筋縄には行かず、とても難しい事の様です。

この選別後に 耐暑性の強く無い状態が現れる原因は、未だ良く分かりませんが 選別時期と基準に 問題が有るのかも知れません。

それは 播き床に使っているプランターは 容量が大きいので、耐暑性がそれ程強く無い株でも 秋迄葉は枯れず、その株を容量の小さい鉢に移すと 耐暑性の強くなかった株は、草体が 花の咲く大きさになると 耐暑性の弱さが現れて来る一因なのかも知れません。

この第2世代の中に 鉢に移植して 普通なら花の咲く大きさになっているのに 未だ花を着けない株が有ります。それ等の株は 葉の色が濃い緑色で、他の株は 薄い黄色味を感じますが その黄ばみが殆ど無い 別種と思わせる様態です。この株は 秋迄殆ど葉が黄ばんで来ない 強い耐暑性を持っている様に見受けられます。この 葉の色の濃さと 開花の晩成性と 耐暑性の強さの3つの形質は、関連が有りそうに見えますが 未だ確認は出来ていません。ですから この晩成種の株が未だ 花が咲いても 耐暑性が強いままでいるとは限りませんので、開花時を待って 選別基準に使えるか 判断しなければなりません。

耐暑性の判定基準の変更案

もしこれが事実だとすれば 耐暑性の選別を 次の様に変更する必要が有ります。

従来通り 発芽2年目と3年目に、播き床で 葉が黄ばんで来ない株を、仮の選別として 鉢に植え付けます。その後 花の咲く大きさになってから 耐暑性の本選別を行います。

もし 葉の色の濃さも 判定基準に使える様であれば、色見本を作って 選別します。

今後の温暖化対策の進め方

新たな選別基準に従って、花の咲く大きさになっても 夏に葉が黄ばんで来ない株を選別株として残し、葉が黄ばんで来た株は 基準外として 取り除きます。残った株を交配して、温暖化対策第3世代を作るのです。

葉の色の濃さに付いても、去年播き床から鉢に移植して 草体は未だ小さく 花は咲かないのですが、夏になっても 葉がしっかりと濃い緑色をしている株が 半数弱有り、それ等の株の中には 強い耐暑性を持っている株が含まれている可能性が高いと思われます。ただ それ等の株が大きくなって 花を咲かせて 選別出来る迄には、未だ2,3年はかかると思われます。

その選別結果を含めて、第2世代の耐暑性の強い株の出現比率を算出し直さなくてはなりません。この選別法で第2世代を選別し直すと 耐暑性の強い株の出現比率は、当初 2割から4割と見られたのですが、その半分程の 1割から2割になります。

普通のヤマユリであれば この日照条件では 確実に消滅している筈ですので、温暖化対策としては この方法は 間違ってはいないと思っています。

この選別方法を採用して 温暖化対策第3世代の種子を採ったとしても、その世代の中に 本当に強い耐暑性を持っている株の現れる比率が、5割以上でなければ 温暖化に強い自生のヤマユリが出来たと言う事にはなりません。もしその比率が 5割より低ければ、更に 世代更新による選別を繰り返さなければなりません。