我が家のイスノキの根元に、白いキノコが沢山生えて来ました。今話題になっている あの白い毒キノコとは、形状と生え方から見て 違う様です。こんなに纏まって生えて来たのは、9月の長雨と低温が 発生の原因なのでしょうか。しかも 不思議な事に 生えて来たのは イスノキの根元だけで、イスノキでも 庭の他の場所でも このキノコを見たのは初めてです。
9月25日の最も大きくなった状態で、1週間程で 腐って消えました。生えた箇所は 根元の全周では無く、北西側だけなのです。
イスノキを植えた経緯
このイスノキは 三十数年前に、伊豆半島南端の神社の境内で出会った木の ヒコバエを挿し木したものです。イスノキは 南九州に見られる照葉樹林帯の代表的な樹木で、常緑広葉樹で 材質が日本の木の中では 最も硬い部類で、櫛やそろばん玉や工芸品の彫物に使われています。
私がイスノキで 気になったのは、宮崎県でイスノキの林を見た時 葉に大きな虫癭が 何個も付いてた状態を見た事です。久し振りに 伊豆でこのイスノキに出会ったので、この木を 直線距離で50km以上も離れた我が家に持って来たら、それでも虫癭は出来るのだろうかと 気になって、ヒコバエを1本採取して 庭に植えたのです。当地の周辺や伊豆の山中では、これ迄 イスノキを見掛けた事は 一度も有りませんでした。
虫癭の結果は 数年して木が少し大きくなると、1cm以下の小さな瘤が出来始めて 年と共に段々と大きくなって来て、今では 5cm以上にもなる 普通の大きさの虫癭が多く付く様になりました。虫がとんでも無く遠い所迄、花粉と同じくらいの量が 飛んでいる事になります。この事については、以前 イスノキの虫癭として 投稿しました。
キノコ菌とイスノキの関係
樹木とキノコの関係は、共生から敵対迄 色々有ります。共生関係で最も知られているのは アカマツとマツタケの関係で、他の植物が生え難い程の 痩せた土壌で、マツタケ菌が 僅かに有るミネラルを集めて アカマツに渡し、アカマツが 葉で作った マツタケ菌にとって必要な養分を マツタケ菌に渡しているのです。他にも 多くの植物と菌が、この様な共生関係を持っています。
真性菌と樹木で 致命的な敵対関係では、白紋羽菌や紫紋羽菌が有りますが、白紋羽菌は 普段は枯れ草や枯れ木に取り付くのですが、稀に生きたボタンやヤツデの様な 柔らかい根を持つ樹木の根に取り付いて 枯らしてしまう事が有り、紫紋羽菌は もっと過激で 柔らかい根だけで無く普通の樹木にも取り付いて 極短時間で 樹木を枯らしてしまいます。ただ これ等は稀にしか見られませんので、それ程心配する必要は有りません。
普通の腐朽菌は 自然界では とても重要な掃除屋さんの役割を持っていて、倒木や枯れ木を腐らせて ミネラル分を土に返しています。ただ 生きた木でも 傷が有ったり 太い枯れ枝の跡から、樹木の中心部の仮死状態で 骨格の役割をしている硬い部分に入り込んで、樹木を空洞化させ その後倒壊に至ります。腐朽菌は 直ぐ枯れる訳では無く 敵対関係では無いのですが、木と菌は 共生関係でも有りません。クスノキやコナラやクヌギは 不要になった小枝を落とす時、落とす前に 枝の根元に隔離層を作って 枝を落とした跡を綺麗にして、傷痕から腐朽菌が 幹に入り込まれるのを 防いでいます。更に クスノキは 材に防腐剤の働きをする「樟脳」が含まれているので、枯れ難く 大木になる例が 多く見られるのです。
このイスノキの場合
このキノコの付いたイスノキの状態を確認したのですが、葉が落ちたり 変色している様子は 見られませんので、このキノコ菌とは 今のところ敵対関係ではなさそうです。生えて来ている場所が 木の根元に限られているので、共生関係で有れば キノコは根の先の周辺に生える筈なので、共生関係でも無さそうです。普通の腐朽菌の一種なのでしょうか、でも この木に付く虫癭と同じ様に この木と特別な関係に有る菌で、虫癭より遥か遅れて 漸くこのイスノキに出会う事が出来たのかも知れません。来年も生えてくるか 木が弱って来ないかを、注意して 観察してみます。
右の枝が キンモクセイで、左の枝がギンモクセイです。同時に花が見られるのは 珍しい景観です。この両方の枝は 同じくらいの香りの強さに感じました。
両性花の種子から出来た実生株で 今年から実を着けるようになった雄株で、実の着け方と両性花の着く割合は 親株と同じなのですが、小さい棘を普通に着けるところは 親株とは違っています。雄株で 両性花が着いて実が成る状態は 親株の形質を引き継いだと理解出来ますが、雌株が現れない点と 当初期待していた 僅かの株でも沢山実を着ける完全な両性花の株が 現れて来ないのは 予想外で 不思議な事です。
2階建ての建物の屋上で 風当たりが強いのと 屋根の照り返しの為か、この時期では 未だ着いている筈の葉が 殆ど傷んで 落ちてしまい 実も2,3割が 落ちてしまいました。其れにも拘らず 未だとても良く実が着いていますので、この株は 通常の葡萄と同様に とても良く実を着ける形質を 具えている様に見えます。今はまだ実が固いので 熟期は、10月の上旬から中旬の様に思われます。果実の色も その時期にならないと はっきりしませんが、落ちた実から推察すると 薄紫になるのではと 予想しています。味と皮の硬さは もう2,3年して 安定してからでないと 分かりませんが、品種登録する程では無いにしろ かなり期待が持てそうです。もし 実の味が良ければ、この木の枝を接木か挿し木で苗を作り、日当たりの良く 風当たりの弱い場所を探して、自家用として 栽培してみるつもりです。
その株の種子が、9月9日に 全ての鞘が開いたので 収穫しました。長雨で 少し傷んでいる様に見えますが、黒い種子の方は 傷みが無く 健全な物が採れました。
種子は 18個採れましたが、この房の大きさでは やや少なめです。鮮やかな赤い小さめの実は シイナで、種子を食べて貰って頒布する小鳥を 呼び寄せる為の物です。採れた果実は 果肉をカッターで 剃る様に綺麗に取り除いて、一晩水に漬けてから 播きます。ヤマシャクヤクの中で セイタカヤマシャクヤクだけは、発芽が 播いてから 2年目になります。
中央の葉の付いていない細い枝の木が、枯れたアシガラサンショウの木です。8月末には 枯れた葉が付いていたのですが、その後の風雨で 全て落ちてしまいました。木の大きさと樹齢からすると 根元の直径は10cm程 樹高4m程で、サンショウとしては もう限界に近いのです。この木は10年程前に 台風の強風で、根元から 45°くらい傾いて 根の半分程を損傷して失い、その後の支る支柱の取り付けの不手際で 樹皮を傷めてしまい、それによって 樹勢が弱り始めていたのです。今後の両性花の観察と実験は、この木から作った挿し木の 後継木に引き継がれます。これ迄のこの木の詳細は、先の投稿を参照して下さい。
葉に全く傷みの見られない トウジバイの様子です。例年 夏の終わりには、葉の一部が傷んでいたり 数が少し減っています。
ザロンバイの 9月上旬の 枝の様子です。
ヤマユリの温暖化対策第2世代として 去年選抜した株の内の 8株の 8月末の状態です。8月末迄 何とか未だ葉に緑色をしている8株を、手前の位置に集めてみました。今年の夏は 一時涼しい時期も有ったのですが、高い耐暑性が有るとして選別した筈の株の半数が、8月に入ると葉が黄ばんで 枯れてしまいました。枯れたと言っても 株が消滅した訳では無く、かなりの耐暑性は持っているので 球根は 残っています。この葉が枯れた株は、温暖化対策株には使えませんが 少し日照を弱めれば、観賞用には十分利用価値が有ります。
9月始めの状態です。葉は少し傷んでいますが、未だしっかりした緑色を保っています。