ナツメは 以前から名前くらいは 知ってはいましたが、花を良く見たり 実を食べたりした事も無い、全く馴染みの無い樹木でした。でも 運転免許を返納してから 近所を良く歩く様になったので、近くの旧街道の緑地帯に 幹の直径が15cm程 樹高3m程の、ナツメが植えられているのを見付けました。常識的には 道路管理者が 街路樹として1本だけ植えたとは考えられず、近隣の樹木に関心の高い人が 其処に植えたのだろうと思われます。花は目立たない地味な物ですが、この時期の若い実は 葉と同じ緑色ですが、良く見ると 直ぐに分かる大きさで 沢山着けています。果実は 熟す前の今頃から 路面に落ちているのを見掛けますから、上を見て歩かなくても 熟す時期は 見逃す事は有りません。
果実
8月中旬の ナツメの実です。ナツメの実が どんな味の物なのか、今年は実が熟したら 忘れずに 食べてみようと思います。ただ この辺りの街路樹は 毎年8月下旬には、病害虫防除の消毒が行われているので、実を食べる際は 洗剤で丁寧に洗浄しなければなりません。
今の様に お菓子が豊富に無かった 戦後暫くの間は、子供達が おやつ代わりに 食べていたと言う話しを 聞いた事が有ります。お菓子や果物が 沢山出回る様になってからは、見向きもされない様になったと言う事は、多分そんなに美味しい物ではないのでしょう。それに加えて 果物としては 種子が大きく 周りの果肉が少ないのも、果物として扱われなかった理由なのかも知れません。
似た様な食べられ方をした果物として ザクロが有りますが、此方は 今は生食用として出回らなくても、薬効を期待して 加工食品として扱われています。ザクロは 今は果物店の店頭で見掛ける事は有りませんが、私も子供の頃 良く食べていた記憶が有ります。今の中年以下の人で、おやつ代わりに食べた経験の有る人は 殆ど居ないのでしょうね。ナツメは ザクロに比べ 庭や畑に植える人が ずっと少ないので、食べた経験の有る人はまだしも その存在を知る人も 殆ど居なくなってしまいました。
最近の若い人で ナツメは勿論の事、グミやクワの実やシイの実等の野性の木の実を 食べる人は殆どいません。でも ナツメが 茶道具の容器の名称に残っているのは、実の形が似ているので 野趣や風流を好む茶人達に 登用されたからでしょう。
自家受粉
一般的に 自家受粉する樹木は 少数派なのですが、歩いている範囲では ナツメは見た事は有りませんので、このナツメは 良く自家受粉する株と思われます。親戚や知り合いの中にも ナツメを植えている方は 居ませんので、全てのナツメが 良く自家受粉するのかは分かりません。ウメでも 自家受粉する品種は少ないのですが、品種に寄っては ザロンバイの様に 猛烈に自家受粉する株も有りますから、ナツメでも 株に寄っては 良く自家受粉する者が居ても不思議では有りません。この株もそうなのかも知れませんが、他の株を知らないので その真偽の程は分かりません。
種播き
2,3年前に その株の下に 数個落ちている実を拾って、鉢に播いておいたのですが 残念ながら発芽しませんでした。今年は 実を食べた種子を 水に浸けて 沈んだ物を10程播いてみようかと思っています。

この株は 種子を播いたり 苗を植え付けたものでは無く、多分 鳥が此処に糞をして 播かれた種子が育った物です。この株が 蔓を伸し始めた時は、丁度 木性蔓植物の 早期に花を咲かせる誘引実験をしていた時期でした。この株は 実験するのに都合良く 道路に面した法面の上部に生えていましたので、この実験に使ってみたのです。
特に手入れは されていない様で、半ば野生化している感じですが、それでも 毎年良く花を咲かせて 通行人の目を楽しませています。花も綺麗なのですが、今年は何となく 実の方が気になりました。花の最盛期は もう過ぎていますので、花後の実が 目立つ様になったので 気付いたのでしょう。
花後に子房が膨らまない物も有るのですが、膨らんでいる物の方が多い様です。膨らんだからと言って 中に種子が出来ていると言う訳ではなく、その後に 茶色になっている物も多く見られます。茶色になった実を 指で摘んでみると、簡単に潰れてしまうので 中に種子は稔っていない様です。多分 今緑色の実も 殆どは 大きくならず、茶色になって 枯れてしまうのでしょう。
この株の周りには 4本ほぼ同じ大きさの株が生えていて、内1本だけに 蕾が着きました。この大きさならば 全ての株に 蕾が着いてもいいのですが、この集団は かなり大きくならないと花を咲かせない晩成の形質を持っている様で、今年は1株しか花を咲かせなかったのでしょう。更にこの集団には 開花時期が遅いのと、葉に黄ばみが出ないと言う 2つの形質も含まれています。
前の蕾の写真から 2週間後に 開花した時の草姿です。蕾が大きくなるに従って 蕾の傍の2,3枚を除き、葉が黄ばみ始めて 開花した時には 根元の方は落ちてしまう変化が、この株だけに現れました。もう一つ 普通のヤマユリと異なる点は、花は水平に咲くのですが この花は下を向いて咲いている事です。株が弱っている為に 幹が下に傾いたか 咲く前の蕾を水平に持ち上げる余力が無かったのでしょう。ユリは 上手く受粉出来れば、花後の子房を 2週間もすれば 真上に向けるのですが、この株は そこ迄やれるかどうか分かりません。
上下の2基のプランターに播いた、発芽1年目のヤマブドウの実生株です。7月下旬になると 発芽した苗の半分以上が、生育競争に負けて 枯れて行きます。今残っている株の 更に半分くらいしか 長い蔓は伸ばせません。
これが一昨年播いた 発芽2年目の苗です。1m程伸びた蔓が 3本有るのですが、ウメの実生株も 3本生えていて、長く伸びた蔓は 頂部の芽を残して 下の芽は掻き取っていますので この画面には写っていません。伸びた蔓の新枝は、今年は更に1m程伸びています。
この2株は 去年分球した株で 7月24日に開花し、今年開花した中では 2番目に遅い株です。開花の時期が遅い方なので 耐暑性が強いのではと 期待していたのですが、残念ながら 耐暑性は 期待した程強くは無い様です。この2株は クローンで 大きさもほぼ同じなのに、葉の枯れ具合から見ると かなり違って見えます。左の株は 葉は何となく黄ばんでいても 殆ど残っていて 耐暑性が強い様に見えますが、その実態は 右の株の様に 何時葉が黄ばんで落ちてしまうかわからない耐暑性の弱さを秘めていると言う事なのです。この株は 播き床に在った時は 10月迄 葉がしっかりとした株で、去年も 秋迄葉がしっかりと残った耐暑性の強い株に見えたのですが、現状から見ると そうでは無かった様です。これ等の事象から分かる様に ユリの耐暑性の判断は 一筋縄には行かず、とても難しい事の様です。