寄せ植え状態の発芽苗

我が家の庭は色々な植物でもう一杯なので、種蒔きの容器を沢山置く余地があまり有りません。そこでどうしても色々なものを一つの箱に一緒に蒔いてしまいます。謂わば「寄せ植え」に模した「寄せ蒔き」です。その箱に色々なものが発芽してきましたので、紹介します。

こんな物を植えてみました。

・ジャガイモのムカゴ

掘り上げずに植えっ放しにしたジャガイモに、地中に出来る芋ではなく、地上の葉の付け根にムカゴが出来ましたので、それを例の寄せ蒔きの箱に、深さ1㎝程にして植えておきました。ムカゴは直径1㎝程の球形で、色は薄緑色の物でした。ムカゴはヤマイモやオニユリには良く見られますが、ジャガイモで見たのは私も初めてです。これは多分今の地中に芋を作る様に進化する前の、古い形態が偶々現れたのではないでしょうか。発芽して細めの茎と葉が出て来ました。それには花もムカゴも着かずに、7月下旬には枯れました。でもうち1本は葉が枯れても茎は枯れず、再度新たな細い茎と小さい葉を出して来ました。これがいつまで枯れずに育つのか、もっと大きく普通の株までになるのか見ものです。

ヤマブドウ

去年初めて花が咲いて実が出来ました。でもたった3粒だけです。種子は1粒に1個入っていましたが、正常な大きさの種子は2個でした。その2個は例の寄せ蒔きの箱に、蒔いておきました。発芽して来たら分かる様に、種子を蒔いた場所に楊枝を刺しておきました。春にそれらしき物が発芽して来ました。今は本葉が数枚になりましたが、多分ヤマブドウだと思います。一年目の葉は、小さいだけで無くとても薄いので、親木の分厚いゴワゴワした感じの葉とは、全く別の植物の葉の様に見えるのです。その側に今年の早春に、剪定した親木のヤマブドウの枝5本を揷し木しておきました。5本とも花芽と葉が1枚出て、花が咲きました。4本はその後枯れましたが、1本は活着して2枚目の大きめの葉が出て来ました。こちらは揷し木なので、葉は小さくとも親木と同じ分厚い物です。この親木はもしかすると、雄木の花粉に依らない一部両性花かもしれませんので、来春にそれを確認をしてみようと思っています。

・カキ

箱の端の方から発芽して来ました。どう言うつもりで蒔いたのか、自分でも良く覚えていません。カキはよく伸びるので、他の木の邪魔になります。あまり伸びない様に小さく苅っておきました。寄せ蒔きの箱には、つい無造作に何でも蒔いてしまいます。

・ミヤママタタビ

ミヤママタタビは花が咲くのですが、雌株しか植えてありませんので、そのままでは実はなりません。他のマタタビ属の花粉でも実は付くのですが、ミヤママタタビは当地の様な暖地では、他のマタタビ属よりずっと早く開花するので、それらの花粉は受粉には間に合いません。そこで前年のキューウィの花粉を、冷凍保存しておいて受粉しています。こうして出来た果実はミヤママタタビの実ですが、中の種子はミヤママタタビではなく、ミヤママタタビとキューウィの種間雑種です。それがどんな実を付ける株になるのか見たくて蒔いているのですが、今まで全く発芽しませんでした。そこで去年は低温処理をして蒔いてみました。その処理は実から種子を取り出してよく洗浄し、家庭用冷蔵庫で3週間冷凍保存し、その後1週間冷蔵保存する処理です。それを室温で、水を含ませたティッシュペーパーの上に蒔いてみました。1月間ほど様子を見たのですが、全く変化はありませんでした。もう諦めてそのティッシュペーパーのまま、そっと例の寄せ蒔きの箱に移して、その上に薄く土を掛けておきました。諦めていたのでその事をすっかり忘れていましたが、ヤマブドウを観察していて今まで見た事がない芽が多く出ているので、ミヤママタタビの事を思い出しました。葉の様子から見ると、ミヤママタタビの様です。小さい苗も入れるとかなりの数の株が出ていますので、5割近い発芽率の様です。ですからこれらは偶々発芽したのでは無く、種間雑種でもこの組み合わせは、発芽能力を持った種子が出来る組み合わせで、それが普通に蒔いたのでは発芽しなかった様です。多分低温処理が休眠を打破し、春になって発芽したのでしょう。それを確認する為、今年も同様の処理をして、蒔いてみようと思います。

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左端がカキ、左奥隅がヤマブドウの揷し木、奥やや左がジャガイモ、奥中央と、右がヤマブドウ、全体に散らばっているのがミヤママタタビです。

 

次回はハコネサンショウバラの実を紹介します。