種間雑種のユリ

我が家の庭に品種はよくわからないユリですが、毎年良く咲いてくれるユリが有ります。今年も立派に花を咲かせてくれましたので紹介します。

入手の経緯

7,8年前に、夏の暑さに耐えるユリの栽培法を調べていた際、その実験に使う目的で、知り合いのユリの研究者に相談しました。5種類の球根を頂いて、発泡スチロールの箱に、下半分に木炭を固く敷き詰めて、その上に植え付けてみました。この方法を試したのは、発泡スチロールの容器は、寒冷地の草がよく育つものが多く有ったからです。結果は発泡スチロールは、全く効果が無く失敗でした。4株のユリは、翌年には消えてしまいました。ただ1株だけはとても良く育ち、翌年には花を1輪付けました。木子も2,3球付けましたので、それらをユリ専用のプラスチックの鉢に植え付けたところ、やはりとても良く育ち、2,3年で花を付ける様になりました。この株が残ったのは栽培法によるのではなく、元々かなり強い耐暑性を持っていたからでした。

草姿と花

その後その研究者に、頂いたユリの品種を尋ねてみたところ、厳密に管理した株を選別して渡したのでは無いので良く分からないが、多分交配中の種間雑種だと思うとの事でした。このユリの草姿は、葉や茎や草丈がタモトユリにとても良く似ていました。花が咲いてみると、花は横向きで花弁は純白で斑点や筋等の模様は有りませんでした。花の感じはウケユリに良く似ていました。この株はタモトユリとウケユリの交配株ではないかと思っています。

株の形質

このユリの耐暑性は、ヤマユリの最も強い株ほどではないのですが、普通のタモトユリよりはずっと強い様です。花が咲く頃には下の葉が2,3枚枯れて来る程度の耐暑性です。香りはタモトユリと同じかそれより少し強い様です。繁殖力はヤマユリくらいで、毎年大きめの木子を1〜3個付けます。植え付け後、植え替え,施肥,消毒は全くしていませんが、毎年少しづつ大きくなり良く花を付けて、花の数も毎年増えて今年は9輪の花を付けました。

繁殖

自家受粉は全くしません。ヤマユリの花粉を掛けてみたのですが、殆どがシイナで稔ったのは数粒でした。それを蒔いてみたのですが、今のところ発芽していません。この種子は多分遅発芽性なので、来年には何本か出てくるかも知れません。ただ種間雑種は一般的に種子が稔っても発芽しないものが殆どです。

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前年に木子を植え付けた株

 

次回はヤマシャクヤクの種子を紹介します。