ザロンバイの実の収穫

庭の実の収穫用の2本目のウメが収穫期になり,先日それを収穫しましたので,その状況を紹介します。

収穫時期

このウメの実は、実の大きさに比べ種子が小さく皮も柔らかいので,梅干し用に使っています。梅干しにすると、白加賀等の一般の梅干し用の梅に比べ、酸味がかなり弱く食べ易い様に思われます。梅酒用の梅の実の収穫時期は,中の種子が固まったらまだ青く堅くても収穫します。ちなみに、収穫用の1本目のウメはトウジバイで、最も早く熟すウメで梅酒用に使っていますが、このウメの40日前に収穫しています。梅干し用の実の収穫は、完熟した方が味が良い様に思われますので、熟して落ちるギリギリまで待って行います。でも果実は一般に全ての実が同時に熟すことは無く、1本の木でも南北とか上下の位置によって,塾期に10日から1ケ月の差が有ります。このウメの場合も味と効率を考えて、数%が熟して落ちる様になったら、全体が熟してなくても収穫します。その前に落ちたり取り残した実は,種子の発芽試験に使っています。

実のなり方

ザロンバイになる要件は,強い自家受粉性と複数の雌しべがある事です。このウメも雌しべが4本でその全てが受粉し、今年は成り年で花が沢山付き,花後に沢山の小さい実が落ちたのですが,それでもまだすごい数の実が枝に残っていました。この1輪の中の4本の子房が,熟す迄には殆んどは1個になるのですが,今年は2個残ってくっ付いた実が多く、中には4個くっ付いた実も1例有りました。こんな例は初めてです。

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摘果作業

果樹栽培では成りと年と裏年が出来るのを防ぐ為と大きい実を作る為に、花後にまだ実の小さい内に摘果を行います。またこの木は受粉樹に適しているので,受粉樹に使う場合は裏年が有っては役に立たちませんから、必ず摘果作業をします。家でも摘果をすれば良いのですが,その作業が大変なのでやっていません。その為沢山成り過ぎて、小さい実と大きい実が混ざっています。梅農家では放水銃を使って、摘果作業をしているそうです。

収穫後の作業

成り年の今年の収穫量は25Kgでした。去年は裏年で6.5Kgでした。摘果しないと度成り年は数年に一度になります。

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アルミ容器の上に置いてあるのが、4個くっ付いた実です。

収穫した実を一つ一つヘタを取って掃除して、一晩水に浸けて置きます。その後梅を水から取り出して、塩を全ての実に塗しながら樽に漬け込みます。塩が偏って塊になっていると、塩が付かなかった実の塩漬けが遅れ、その実の鮮度が落ちて実が堅くなってしまいます。塩の割合は、15〜20%にします。蓋をしてその上に5〜10Kgの重しを置きます。4,5日すると、浸出した液が蓋の上まで上がって来ます。

その状態になったら赤紫蘇を用意し,その葉を洗って塩揉みして、絞って出て来る赤黒い汁は捨てて、絞った葉を解して塩漬けの実の上に置きます。蓋を戻して重しを置いて、梅雨明けまでそっと寝かせておきます。

梅雨が明けて晴天が3日以上続く様になったら、梅を樽から出して簾の上に並べて天日に干します。1日目と2日目は、夕方に梅を樽に戻して漬け汁に戻します。3日目は漬け汁には戻さずに、翌日の朝まで干したままにしておき、夜露に当てて「梅干し」の出来上がりです。それを保存用の瓶に収納し冷暗所に置けば、何年でも保存出来ます。

 

次回からはヤマユリの開花が続きますので、それを続けて紹介します。