春の木の花

この時期に咲くあまり見られない花を紹介します。

ミヤママタタビの花

f:id:tanemakijiisan:20210424100233j:image

4月上旬から2週間程かけて、下から上に咲いて行きます。これは雌花で付いている雄しべは飾りで、受粉能力は有りません。キューゥイの花粉を付ければ実が成りますが、その種子は蒔いても発芽しません。

f:id:tanemakijiisan:20210422182037j:image

この木は花の時期に先端の葉が、淡い薄桃色になるのが特徴です。自生地では木全体が薄桃色に染まって、とても綺麗でよく目立ちます。こちらで栽培すると、初めのうちは花が咲いても僅かしか変色せず、年と共にその変色する葉が増えて行きます。葉を変色させるのは、受粉してもらう虫を呼び寄せる為で、マタタビは葉を真っ白にしますが、これは高山地帯で春が遅いので、その時期の虫に合わせて桃色にしているのでしょう。

ヤマブドウの花

f:id:tanemakijiisan:20210422182119j:image

ヤマブドウは風媒化で虫を呼ぶ必要が有りませんので、花がとても地味です。雄花も雌花も帽子の様に覆っていた花びらが、花が咲くと帽子を取る様に外れます。雌花は雌しべとその周りに雄しべが見られますが、その雄しべは飾りで両性花では有りません。この株は今年が花が咲き始めて2年目になり、花は20房以上は有りそうです。そこで今年は雌花と雄花の咲く時期を確認してみました。すると雌花はもう咲いているのですが、雄花はまだ咲いていませんでした。どれくらい実が止まるのかとても気になります。

f:id:tanemakijiisan:20210422182149j:image

雄花ですがまだ咲いていません。

シャクヤク

f:id:tanemakijiisan:20210425145447j:image

実生のシャクヤクの花です。ボタンやシャクヤクやブドウやウメなどは、園芸種として古くから何世代にも亘って栽培されて来たので、種子を蒔いてもそれなりの見応えや食べ応えのあるものが出来ます。ただ特定の形質のものを得ようとすると、一般の人ではまず不可能です。実生で育てると、何が出て来るのか分からないので、宝くじを買った様にとても楽しみです。場所と時間に余裕のある方は、やってみてください。

 

次回はウメの実の様子を紹介します。