ヤマユリの種子の収穫

今年は20年近く前に、ヤマユリが気温の温暖化で消滅してしまってから、久し振りに種子の収穫が出来ました。それも 1個ではなく 7,8個は採れそうです。

耐暑性を持った株の栽培

以前にも何度か紹介しました様に、ヤマユリが温暖化で消滅してしまいましたが、数年前に 耐暑性を持った2株目を見つけてから、それらを栽培、木子増植をして来ました。その2番目に見つけた株が、漸く今年 多くの株が花を咲かせました。ヤマユリは同じ株から栄養繁殖で増やした株同士を受粉しても、自家受粉となり種子は出来ません。ですから 種子を取るには その2番目に見つけた株が、花を咲かせるのを待つしか無かったのです。

収穫時期の目安

晩秋に葉が黄色くなって来たら、種子の鞘を軽く押してみて フカフカしてへこむ様になって、先端がY字型に少し割れ目が出来て来たら、種子の収穫時期です。そのまま放置しておいて 割れ目が鞘の下まで来ると、中の種子が強い風で外に飛び出してしまいます。鞘を切り取って 室内の風通しの良い所に保存し、割れ目が中程まで来たら 中の種子を取り出します。何年も前から咲いていた 早咲きのヤマユリには、今年咲き始めた方は遅咲きなので 受粉出来ませんでした。その代わり 耐暑性は有りませんが 早咲きのベニスジの花粉を掛けておきました。早咲きの方は 種子も2週間以上早く熟しますので、もう収穫時期に来ています。

種子の選別

種子は三角形の茶色の薄い蝋紙の様で、中心部が少し膨らんでいて その部分に種子が入っています。その種子は 脂肪質で透けて見えるので、下から光を当てても シイナと見分けが付き難いのです。私は一枚一枚指先で確認して、シイナを取り除いています。

種蒔き

種子は鞘から取り出した後、早めに種蒔きをします。苗床はプランターか発泡スチロールの箱に、長さ5,6cm程の切炭を縦にして 密に詰め込み、その隙間に細かい炭を詰めて 隙間の無い 固い炭床を作ります。その上に薄く土を敷き軽く叩いて 固めておきます。そこに1cm以上の間隔を空けて、種子を蒔きます。その上に1cm程の土をかけておきます。表面に乾燥防止用に、充分乾燥させた小枝を刻んだチップをかけておきます。ヤマユリは 遅発芽性のユリなので、翌年の春には発芽せずに 翌々年の春に発芽します。芽が出るまでは 水遣りは不要です。

耐暑性の選別

ヤマユリは通常 日照時間が、3時間程の所が適地なのですが、今回は耐暑性の有る株を選別する為に、敢えて日照時間が 8時間程の所に 苗床を置いて栽培します。すると 耐暑性の無い株は 発芽しても 夏には枯れて、耐暑性の有る株だけが残ると思います。

ヤマユリ以外のユリ

ヤマユリ以外に タモトユリとウケユリの種間雑種と思われるユリが有ります。このユリは耐暑性が有り、毎年良く花を咲かせて ヤマユリの花粉を掛けると、良く実をつけます。今年はその株にヤマユリの変種のベニスジの花粉を掛けておきました。それが今年もとても大きな鞘になっています。

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早咲きのヤマユリの種子、上の有るのが こぼれたシイナです。

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タモトユリとウケユリの種間雑種の実、手前の大きい鞘が ベニスジをかけたものです。

 

今回のユリの種蒔きで、我が家の庭の植物と栽培作業の1年間の紹介が出来ましたので、これからは 以前に紹介した植物達のその後の経過を 紹介して行きたいと思います。従って従来の様な 週一の定期投稿ではなく、春から初夏にかけて集中する様になると思います。