ヤマユリの開花の続報

庭の遅咲きのヤマユリが咲き始めましたので、その状況を紹介します。

ヤマユリの開花時期

我が家で耐暑性を持つヤマユリは、現在2系統有ります。早咲きを「ヤマユリA」と遅咲きを「ヤマユリB」と呼んでいます。ただ早咲きはその通りなのですが、遅咲きはここだけの区分で、普通のヤマユリの開花と比べても遅くはなく、同じ程度の開花時期です。元々ヤマユリは、株による開花時期のバラツキが大きい植物です。以前はこの地域でも、7月上旬から8月中旬まで咲いていました。今では住宅地の側の緑地では、気温の上昇によりヤマユリそのものが見られなくなりました。我が家で見つけた耐暑性を持ったヤマユリの2系統の株が、偶々その開花時期が大きくずれていたので、早咲き/遅咲きと区分したのです。ちなみにヤマユリAは6月下旬には開花しています。ヤマユリBは、7月下旬に10輪ほどの花を咲かせています。

耐暑性

多くのヤマユリは耐暑性が無いので、7月に入ると枯れ始めて7月末には地上部は枯れてしまいます。この耐暑性は、有るか無いかのどちらかではなく、その間の強弱も存在する形質なのですが、その中間は少なくその殆どがはっきり強弱に分かれて、更に強いものは少ない様です。実生株がもっと増えると中間の株も多く見られると思います。これらを自然交配に任せると、強い形質の株も次第に減少し消えて行くのでしょう。耐暑性がそれほど強くないものでも、日照時間を制限した日陰で栽培すれば、暑さに耐えられる様です。でも更に温暖化が進めば、その逃げ場も無くなるかも知れません。私は強い耐暑性を持った株を増やそうと思っているので、敢えて日照時間の長い場所でしか栽培していません。

受粉

ユリの株がいくら多くても、それぞれの系統は全てクローンです。この開花がずれているお陰で、同じ系統同士の自家受粉を避けて、種子が採れる他家受粉をする事が出来ます。今回も先月に採取しておいたヤマユリAの花粉を、今咲いているヤマユリBに掛けておきました。逆に今咲いているヤマユリBの花粉を採取して、冷凍保存して来夏のヤマユリAに掛けます。この遅咲きのヤマユリBは、今年が初めての開花です。これでやっと耐暑性を持った株同士の受粉が出来ました。秋にどれぐらいの種子が採れるか楽しみです。

種蒔き

種子は鞘の先端が3つに割れて来たら、取り入れて屋内の風通しの良い所で乾燥させます。10日ほどで乾燥したら、鞘を割って種子を出しシイナを取り除きます。種子はすぐにプランターに蒔きます。この蒔き床は、プランターの底に5,6㎝の長さに切った木炭を、縦にびっしりと詰めてその隙間にも木炭のかけらを詰め込みます。その詰める固さは、プランターを垂直に立てて軽く叩いても崩れない程度です。その上に土を薄く敷いて叩いて平らにします。その上に種子を蒔いて、厚さ1㎝ほどの土をかけておきます。最後に土の表面に乾燥させた小枝のチップを、乾燥防止用に敷いておきます。施肥をしたり肥料分を入れた土を使ってはいけません。これを普通は半日影の場所に置くのですが、この種子は耐暑性を持ったヤマユリを選別するのが目的なので、この場合は日当たりの良い場所に置きます。ヤマユリは遅発芽性なので、翌々年の春に発芽します。開花は発芽後 4,5年となります。耐暑性を持ったヤマユリを見つけたのは5,6年前ですので、耐暑性の株を作り出すのは、とても長い時間が要ると言う事です。

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遅咲きのヤマユリの開花時期は梅雨明け後で、丁度梅干しの天日干しと重なりました。その梅は今年も無事3日間の天日干しが出来ました。この梅干しは、以前に紹介したザロンバイの実です。

 

次回は色々なものを蒔いた「寄せ植え」状の発芽苗を紹介します。