思いもよらぬ大失敗

先日ヤマブドウの種子を播いたプランターに、今日見ると もう大きな草が生えていましたので、早速引き抜いておきました。でも 何の草だろうと気になったので、その草を良く見てみました。それは草ではなく ウメの発芽苗でした。この苗は 発芽抑制効果を確認する大事な苗で、とんでもない大失敗でした。前年に播いたのを忘れて、出て来た芽を何本か引き抜いてしまう事は 良く有りますが、こんな前に播いた物の事故は初めてです。

f:id:tanemakijiisan:20231012153449j:image引き抜いてしまった発芽苗です。

まさか ウメが 今頃発芽して来る事は 思いもよりませんでした。確かに4年前に このプランターに ウメの種子を播いています。ウメの種子は 播くと直ぐに 殻から発芽抑制物質を出します。その目的は 種子を直ぐに発芽させず、暑さが収まった秋に発芽準備を始め 翌春に発芽させる為と、何個か纏まって播かれた時に それらの種子を発芽させない為です。その作用を確認する為に、色々な方法を試しました。その内の一つに、その物質を木炭に吸収させられないか調べたのが、木炭を入れた このプランターでした。結果は 木炭の効果は殆ど得られませんでしたが、その物質が少し薄められたせいか、種子が休眠状態になって 2年目の春に、端の方に1本だけ発芽して来ました。でも その株は 大きくならずに、夏になると 枯れてしまいました。そんな訳で そのプランターは空いているものと思って、ヤマブドウの播き床に使ったのです。

でも何故 春ではなく 秋に発芽して来たのでしょうか。この芽は プランターの端から出ています。発芽抑制効果を試した色々な方法でも、全て端の方から出ています。やはり 発芽抑制物質の濃度によって、その効果が分かれたのでしょう。容器の中の濃度分布は、端の方に行くほど薄くなっていますので、端に播かれた種子にその影響が現れ易いのでしょう。濃度が高いと種子は枯れ、枯れる寸前の 高い濃度であれば 2年以上休眠状態になり、それ程高い濃度ではなければ 1年の休眠で 発芽しているのでしょう。この種子は かなりきつい濃度だったので、長期間休眠し 春にも休眠が解けずに やっと秋に発芽出来たのでしょう。

折角の実験資料を消滅させてしまい、大変残念でした。