シデコブシの種播き

シデコブシの実の殻が割れて、中から赤い果実が覗く様になりました。今年初めて種子が採れた株の 種播きをしますので、その様子を投稿します。

親株の入手の経緯

この株は 10年以上前に、吉野ヶ里の植木市で 花弁の数が特に多かったので、買い求めた物です。この株は 花が咲いても 全く実が成らず、今年 別の実生株の花粉を掛けて、ようやく 2個の実が出来た株です。シデコブシは 自家受粉を良くする樹種ではないのですが、樹が大きくなって花を沢山付ける様になると、数は少ないですが 自家受粉で実を付ける様です。シデコブシは 30年程前に、近くの園芸店から1本買い求め 庭に植えました。大きくなって 花を沢山咲かせ 少し実を付けましたので、種子を採って播いたところ 数本の実生苗が出来ました。その親株は 大きくなり過ぎて、20年程して枯れてしまいました。接木株は あまり大きくしない方が、樹が長持ちする様です。

実の形と種子の散布法

コブシの仲間の実の外観は、握り小拳の様に 表面がデコボコしているので、「コブシ」(拳)と呼ばれたそうです。10月になると 膨らんだ部分が割れて、中から大豆より少し大きい 赤い実が現れます。赤い実は 殻から外れても 地表に落下しません。赤い実には 白く細い糸が付いていて、殻の2,3cm下に ぶら下がっています。実が赤いのは 鳥に良く目立つ様に、地表に落とさないのは 鳥が地表の動物に襲われずに、安全に実を啄める様にする為です。その実には 赤い皮の下に、白く柔らかい少し油脂分を含んだ果肉が有り、鳥にとって 魅力的な栄養食になっている様です。この果肉が 種子の発芽抑制物質にもなっていて、鳥に食べられずに 親株の下に落ちた種子は、その効果により 親株の競争相手ならない様 発芽させないのです。鳥に食べられた果実は、果肉が綺麗に取れて 糞と一緒に、親株から離れた場所に播かれると 発芽出来るのです。

f:id:tanemakijiisan:20231003093316j:imageシデコブシの実が割れて 中から赤い種子が出て来た状態です。

種子は 黒く硬い殻を持った ややハート形をしています。

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種播き

果実の果肉を綺麗に取り除き、薄い石鹸水で油脂分を落としてから、水に浮くシイナを取り除きます。処理後 直ぐに プランターの播き床に播きました。今回は 2個の実で 全部で 20粒程になりました。播く深さは 1cm程で、表土が乾かない様に 小枝のチップを敷き詰めておきます。3月下旬に 発芽して来ます。これ迄の経験からすると 発芽率は割と低く、3割以下になると思います。花が咲くまで 7,8年かかると思います。気になるのは 咲いた花の花びらの数が どれくらいになるかで、この種子の母方が 最大64枚で 父方が 標準の14枚前後ですので、多分殆どの花が 標準の14枚程だと予想してますが、期待値としては 40枚以上で、その様な株が 1株でも現れてくれれば と思っています。

今年やっとこのシデコブシの親株の挿し木が 1本活着しましたので、来春発芽する実生株を親株と比較する意味で、その挿し木苗を そのプランターの中央に 一緒に植え付けました。