ヒイラギの花

能登半島地震の被災者の皆様に お見舞い申し上げます。

 

12月中旬になると ヒイラギの花が咲き始め、年越しの時期には 満開になりました。ヒイラギは キンモクセイやギンモクセイに近い樹木で、葉の外周が 尖った棘状の突起が有ります。花の色は白ですが 形状や大きさは モクセイに良く似ていて、花の香りは 鼻を近付けると ほんのり匂う程度です。去年の秋に 初めて実が採れましたから、今度はその花を良く観察してみましたので、その様子を投稿します。

花の雌雄

ヒイラギは モクセイと同様に 雌雄別株の樹木です。去年 山から採取した株の1株が 初めて実を付けましたので、我が家の庭では 初めて雌株を確認出来ました。そこで今回は 雌花と雄花を見比べてみました。

f:id:tanemakijiisan:20231231175322j:image去年実を付けた株の雌花です。開花時期が 雄株より 1週間程早い様です。

f:id:tanemakijiisan:20231231175516j:imageとても良く花を付ける雄株です。実はまだ一度も確認した事は有りません。

 

f:id:tanemakijiisan:20231231180025j:imageこれも雄株です。以前 この株の太い枝を伐採した時、その枝を地上で 全体を丁寧に調べると 1箇所に2個の実が付いているのを確認しました。f:id:tanemakijiisan:20231231180830j:imageこれは その実です。この雄株の中に 雄花に混じって、両性花が有ったものと思われます。以後この株を 丁寧に見た訳では有りませんが、一通り調べても 実はまだ1つも見付かりません。

雌雄の花の違いは、雄花には 中央に雌しべは見られません。雌花には 根元に子房の付いた 雌しべが見られます。雌花にも 2本の雄しべが有りますが、先端に付いた葯の大きさが 雄花の葯の半分くらいしか有りません。もしかしたら 雌花の雄しべは 飾りなのかも知れません。この様な 雌雄異株の雌花の雄しべが、稔性が無く 飾りである花は、ヤマブドウマタタビ属に見られます。もう一つ考えられるのは、雌しべが成熟する時期と雄しべの葯が成熟する時期が ずれている事です。雄しべが先に出て 葯が熟し、雌しべが成熟する時期には 雄しべは既に萎れ始めて、小さく見えているのかも知れません。こうする事によって 自家受粉を避けているのかも知れません。

我が家には もう1本大きいヒイラギが有るのですが、その木は周りを他の木に囲まれていて 良く観察出来ません。木の間から上に伸びた枝を見ると、今年は花の付きが とても良い様で、満開になると とても綺麗なのですが、上を見て歩かないと気付きません。そこで 今回は脚立を使って その花の観察も追加しておきました。

f:id:tanemakijiisan:20240103180654j:image今迄花を良く見なかったので 分からなかったのですが、近くに寄って良く見ると 中央に雌しべが見られます。雌株の様ですので これ迄も 実を付けていたのかも知れません。今年は 春になったら 脚立を使って、実が付いているか 良く調べてみようと思います。この雌株は もう一つの雌株よりも、開花時期が10日くらい遅い様です。時期としてはこちらの方が 雄株の開花時期に合っています。この株は、家にあるヒイラギの中で 葉の外周の棘が一番少なく、花の香りは 最も強い樹です。