ブログを始めて 満3年になりました

早いもので 私が 2020年12月12日に、この “はてなブログ“ に 初投稿をしてから3年になります。初投稿したのは「エノキの種子」でした。

f:id:tanemakijiisan:20231126225321j:imageこれが最初に投稿した エノキの種子の写真です。エノキは 種子の撒き散らし方が 独特な方法なので、取り上げてみました。

このブログは 私の趣味が 植物栽培と植物観察なので、「植物専門のブログ」として 開設してみました。題材は 主に我が家の庭の植物で、それによく歩く近隣の山道で見かける植物を加えています。専門的な地味な内容なので、読んで頂ける人は 殆ど居ないかも知れないと思いましたが、趣味の記録を兼ねた日記代わりに しばらく投稿を続けてみようと思っていました。最初の1年間は 週1回の投稿を自らに課していましたので、庭や山だけで そんなに題材が見つかるのか 少し不安でした。

始めの頃に 投稿で心掛けていた事は、出来るだけ野性種の植物、あまり知られていない植物、良く見る植物では 気付き難い事象を取り上げ、なるべく同じ素材は避ける事でした。また その記述には その植物の花や実の観察だけではなく、一般には行われていない栽培法や種子の播き方等についても、その季節に合わせた作業を 取り上げる様にしました。

文章は 本などは書いた事は無いので 上手く書けず、読んで頂いた方に 読み難く苦労を掛けていると思います。内容が複雑な事が多いので、少しでもご理解頂ける様に 必ず写真を添付する様にしました。

1年もすると ほぼ庭の植物を網羅しましたので、2年目からは 週1回には 拘らず、同じ素材でも その植物に何か気になる変化が見られれば、それを投稿する事にしました。また 色々な課題を設け 実験を試み その経過を報告する様にもしました。例えば ヤマユリの温暖化対策、サンショウやヤマブドウの両性花を持つ株作り等です。ただ これだけ回数が重なって来ると、前に書いた事をすっかり忘れて 又同じ事を書いてしまった事が有ったかも知れませんが、もし それに気付かれた時は 年寄りのボケが始まったと 笑って読み飛ばして下さい。

初めに思っていたよりも ずっと多くの人に読んで頂けている様で、投稿を続ける励みにもなり 大変ありがとうございました。

このブログを始めて 私自身が変わったと感じた事は、植物の観察が より細かく深くなった事です。私は元々一つの植物を長い期間をかけて じっくり観察する性格でしたので、このブログの書き方は 観たまま感じたまま書いたのですが、書いて気付く事は このブログを始める前の観察は、今よりもっと浅かった様に思いました。そして 一つの原稿を書いてみると、では これに似た植物はどうなっているのか、その条件を変えてみたらどうなるか等も調べる様になりました。また その植物に起きた事象に対する考えが 漠然していたものが、書く事によってはっきり 整理されて来た様に感じます。

 

因みに 最初に投稿した「エノキの種子」を読み返した後、では エノキと良く似たケヤキは、どの様に種子を散らしているのかが 気になりました。地面を良く調べてみると ケヤキも 種子の撒き散らし方は、エノキと同じ小枝に種子を付けたまま 小枝ごと飛ばす方法でした。ケヤキの種子は 果柄が無く 葉の付け根に付いていて 目立ち難いので、私も それ迄 気付きませんでした。

f:id:tanemakijiisan:20231130151309j:image落ち葉の中で目立ち難いのですが、写真の中央の2本が 枯れたケヤキの小枝です。葉は種子を飛ばす羽根の役割をしていますので、小枝から離れずしっかりと付いています。小枝の根元を見ると 僅かに膨らんでいるのは、そこに残る主幹の枝から分離する為の剥離層が有った証拠です。葉が枯れても 葉や枝は落ちずに 強い風が吹いた時に、剥離層から外れて 葉と種子が小枝にしっかりと付いたまま、風に乗って 遠くに飛んで行くのです。エノキは種子が目立つので 直ぐ分かるのですが、ケヤキの種子については エノキと比較しないと その仕組みに気付きません。私も 「エノキの種子」を投稿したので、このケヤキの仕組みに気付いたのです。別種や別の科の植物でも その外観と生態が似ていると、その生存戦略も似て来る場合が多いのです。

ところで エノキもケヤキも、毎年沢山の実を飛ばしている様に見えます。でも 本当に中に種子が入ってるのは少数で、エノキでは 3割以下で ケヤキの方は 多分1割以下だと思います。これ等の実は 実が入っているかどうか、外観からは 全く判別出来ません。でも この殻を作るだけでも 木にとっては かなりの負担になる筈ですが、それでも敢えて 実が入っていない殻だけを作っているのは、鳥や動物に食べられるのを防ぐ為ではと思います。全部の種子を割って調べるのが大変なので、狙った者に 食べるのを諦めさせる事が目的ではと思います。この様に外観で捕食者をごまかす方法は、草などにも偶に見かけます。

更に この写真のケヤキの小枝の間に、緑色の小さな芽が見えます。これは この小さな芽を見てもらいたくて、芽の両脇にケヤキの種子の付いた小枝を置いたのです。この小さな芽は、とても特殊な状態の樹木の発芽状況なのですが、注意して見なければ 絶対見逃してしまいます。この芽は 3年前に播いたウメの発芽なのです。しかも 春ではなく11月末になって発芽した、この秋 5本目の株なのです。この詳細は ウメの発芽抑制の投稿で 何度か書いていますので、興味がある方は そちらの方を参照して下さい。

これ等の 細かい事に気付く様になったのは、やはりこのブログを書き始めて 細かく観察する様になったからだと思います。

 

このブログの件は 私も歳なので、いつ迄投稿出来るか分かりませんが、これからも 体力と五感+勘が続く限り、力まずにこのやり方で投稿を続けて行くつもりですので、ご興味のある方は 引き続き読んでみて下さい。