ギョウジャニンニクの芽出し

9月になって葉が枯れたギョウジャニンニクが、10月になって芽を出して来ました。当地の様な暖地で 芽を出す時期は、2月末から3月始めになります。この季節外れの時期に芽を出すのは、今回で2度目の現象ですので それについて再度投稿します。

暖地に適応したギョウジャニンニク

寒冷地植物を暖地で栽培するには、発泡スチロールの容器を使うと、上手く栽培出来る事が有ります。ギョウジャニンニクも当地の様な暖地で、栽培出来るか確認しようと思い、10数年前に栽培を始めました。栽培は上手くいって 良く増えたのですが、花が咲いても 種子は採れませんでした。産地の違う株で 人工授粉して、ようやく 毎年3,4粒の種子を採る事が出来ました。この種子を播いて発芽した株については、以前に何度か 「暖地に適応したギョウジャニンニク」として 詳しく投稿していますので、ここでは説明を省略させて頂きます。

時期外れの芽出し

その暖地に適応した株の中から、4,5年前に 春の葉が枯れた 9月に 2度目の芽出しが見られ、その葉は 1月末に枯れて、3月初めに また普通に芽を出して来ました。この現象は その時は その株だけで、その後現れていませんでしたが、今年またその適応株に現れました。

f:id:tanemakijiisan:20231019203951j:image10月上旬に 芽を出して来た株です。

温暖化との関連性

耐暑性の強いヤマユリにも、夏から秋にかけて新芽を出して来る株が見られますが、このギョウジャニンニクの 秋の芽出しも、暖地に適応した株が 葉が枯れた後 厳しい残暑に遭った事による芽を出したものと思われます。

ギョウジャニンニクの葉は、耐久性の高い葉ではなく 5ヶ月間程しか持ちません。葉の活動期間は、暖地に適応した株では 3月から7月迄の 5ヶ月間ですが、秋に芽を出す葉も 9月から1月の5ヶ月間になります。秋の葉は 春の葉の半分くらいの大きさで、1枚しか出しません。完全な二季性ではなく、疑似的な二季性になります。この場合 気になるのが 地中部の球根の更新状態で、秋の葉は 地中の球根の養分を半分以下しか消費していませんので、完全な球根の更新はしていないと思います。

来年からは 暖地に適応した株の 2世代目が出て来ますので、それらの株が どの様な生態を現すか観察するつもりです。