ノシランの繁殖力

この時期 庭のあちこちや鉢の中から、細い緑色の2枚葉が出て来ます。その殆どが ノシランの発芽苗です。名前の由来は 花房の茎の断面が菱形になっていて、神事に使う「のし」を連想させるので この名が付けられたそうです。秋から冬にかけて、1房に20〜30個のインゲン豆程の大きさの 鮮やかな青色の実を付けます。前にも投稿したと思いますが、今回は 実の綺麗さに比べ その際立った繁殖力の強さについて 投稿します。

ノシランの自生地

20年程前までは 紀伊半島の沿岸の暖地に自生していた様です。私は 20年程前に、地元の別荘地の広い庭の石垣の間に、青色の綺麗な実を沢山付けているのを見たのが初めてです。その後 数年もすると、あちこちで頻繁に見かける様になりました。この頃から 園芸植材として植えられた物が 外に逃げ出して、関東地方に野性植物として 一気に繁殖していったのでしょう。

繁殖力

この植物の繁殖力は とても強い様です。繁殖法は 実を鳥に食べて貰って、果肉を消化して 種子を糞と一緒に遠くへ播いて貰う方法です。その為に 鮮やかな青色にして、鳥に目立ち易い様にしているのでしょう。青色の表皮の下に 白い果肉が有り、その内側に半透明の種子が入っています。発芽率は かなり高い様で、一つの鉢の中に 数本も発芽する事が有ります。一つの苗が数年もすると、20球以上の株となります。その株は 引っ張っても簡単には抜けず、カヤの株の様な頑丈な集団を作ります。その頃になると 日当たりの良い株は、沢山の花を咲かせて実を付けます。葉で隠れた奥の方の花でも よく実を付けていますので、虫が少なくなっても 自家受粉で実をならせているのでしょう。初めて庭で見つけてから、あっと言う間に 庭中に広がってしまいました。油断していると引き抜き難くなるので、もうこれ以上庭に増やさない様に、発芽に気付くと 直ぐに引き抜いています。

f:id:tanemakijiisan:20230727173452j:image鉢から出て来た苗を引き抜いた物。

f:id:tanemakijiisan:20230727171353j:image春に刈り取った所から、再度花を咲かせています。とてもしたたかな草です。