ヤマブドウの雄株の取り木

今年も ヤマブドウの袋掛けした雌株の房に、種子の入った大粒の実は 成りませんでした。この袋掛けは、この雌株が自家受粉しているのではないかと予想して、近くの雄株の花粉が掛からない様にする為の作業でした。今年は 雌株の花の数が沢山に増えたので、袋の数を15に増やしてみましたが、花の時期に強い風が吹き 半分程が折れてしまいました。袋掛けは今年で3度目なのですが、袋掛けした房に 種子の入った大粒の実は まだ1つも出来ていません。専門家には「雌株の雄しべは飾りで、稔性の有る花粉は作らない」と言われましたが、私は 全部の雄しべでは無くても、極一部の雄しべは 稔性の有る花粉を作っているのではないか、と言う期待をまだ捨ててはいません。それを確認する為に、袋の数を増やしてみたのですが、袋掛けの作業は大変で 折角掛けた袋も 風で折られてしまうので、更に袋を多くする事は難しいのです。

そこで 考えられる この確認法としては、袋で花粉を防ぐのではなく 近くに在る雄株そのものを、根元から伐採する事です。雄株の花房を 咲く前に 全てを摘み取る方法も有るのですが、蔓が隣接する高い木に絡みついているので それは出来ません。でも ヤマブドウは 根元から伐採すると、根から芽を出さずに 枯れてしまう事が多いので、もし伐採してしまうと やはり花粉が必要だと判った時に、また雄株を山から採取して 揷し木をしなくてはなりません。そこで 最も良い方法は、今有る雄株の蔓を 雌株の近くまで誘引し、そこで取り木をする事です。この時期に 蔓の皮を剥いでおき、そこに土を掛けて 晩秋迄待ちます。晩秋に土を退けて 根が出ているか調べ、出ていれば 根元側を切り離して 取り木は完了です。そうなれば 安心して 雄株を根元から伐採出来ます。もし根が出ていなければ 来年もう一度やり直します。

幸い我が家の近くには、ヤマブドウの雄株は勿論の事 園芸種の葡萄も見当たらないので、取り木をした株は 2,3年の間は 花を咲かせる事は無く、その間の 3,4年は 雄株の花粉の無い環境で、この雌株の実の成り方を じっくりと観察出来ます。そうすれば この自家受粉の可否の疑問に 答えが出せると思います。

f:id:tanemakijiisan:20230610142616j:image皮を剥いだ状態