ヤマブドウの雌花の袋掛け

ヤマブドウの花の咲く頃となりました。家に3株有るヤマブドウの雌株の内の1株が、今年は殆どの新芽に 花が付いていて、数えきれない多さです。去年は20房程でしたので、格段の多さです。近くに雄株を1株植えてあり 花も咲くのですが、その雌株は 花が咲いても 実は殆ど留まりませんでした。今年はかなり実を付けるのではと 大いに期待しています。このヤマブドウについては、別に調べている事があります。2年前から実験をしていた事ですが、花房の数がとても少なかったので、十分な確認が得られていませんでした。その調べている事は、「この株に付いている雄しべの中に、念性を持った花粉を作るものが有って、それで自家受粉をしていないか」と言う事です。言い換えると「この株の中に 両性花が有るのではないか」と言う事です。ヤマブドウやサルナシの雌花は、雌しべの周りに雄しべを付けていますが、その雄しべは飾りで 花粉は造りません。ヤマブドウの場合は、雌花の雄しべは 短くて湾曲しています。これに対し 花粉を造る 雄花の雄しべは、長く真っ直ぐに伸びています。去年 この株の花を確認したところ、雄しべは短くて湾曲していました。でも 本当にこの形状と花粉を造る能力は 完全に一致しているのでしょうか、例外は無いのかは まだ誰も確認していません。そこで 一昨年から この株の花房に袋を掛けて、雄花の花粉が付かない様にして 実が成るか調べています。一昨年は 2房、去年は 5房 袋を掛けましたが、その房は 実は出来ませんでした。袋を掛けなかった房も 殆ど実を付けず、実験した房の数が少ないので、まだ結果を得る迄には至っていません。この雌株は 今年から本格的に花を付け始めましたので、房の数を 20に増やして調べてみる事にしました。予想では もし有ったとしても、実の数は 1房の1,2粒でしょう。

f:id:tanemakijiisan:20230408173430j:image袋掛け前の花房

f:id:tanemakijiisan:20230408173534j:image花房にナンテンの花柄を添えた状態

f:id:tanemakijiisan:20230408173656j:image花房に袋を掛けた状態

袋はスーパーの荷造り台に置いてある ポリスチレンの水切り袋を使います。花房に直接袋を掛けると 花房を傷めますので、ナンテンの花柄を添えて その上から袋掛けします。花が咲き終わったら 袋とナンテンの花柄を取り外して、花房の根元に紐を結んで 印を付けておきます。もし実が採れたら、その種子を播くつもりです。

この実験の最終目的は、両性花のヤマブドウを造る事です。以前 20年以上に亘って 両性花のヤマブドウを探してみましたが、見つけられませんでした。そんな中で サンショウの雄株の中に 両性花を見付けました。この実を 2世代 3世代と実生を重ねて行けば、最終的には 全ての花が両性花のサンショウが得られるのではと考えました。そこで気付いたのですが、ヤマブドウも一部両性花を持つ株を見付けて、その実の実生を繰り返した方が、完全な両性花の株を野山から見付け出すより、速くて確実な方法なのではと思いました。サルナシでは 近くにキューウィを含め雄株は無いのですが、極僅かの実を付ける事が有り、これは一部両性花であった可能性が高いのです。この一部両性花は サンショウと同様に、雄株に有る可能性の方が高いかも知れません。でも 野山でそれを見付けるのは、花は高い枝先にあるので 不可能です。まずは家に有る雄株の花と実の有無を、毎年丁寧に探してみようと思ってます。