ヤマシャクヤクの開花

ヤマシャクヤクが開花し始めました。このヤマシャクヤクの仲間には、少なくとも 2種 もしかすると 3種が有ると考えています。でも 学術的には認知されず、それらは ヤマシャクヤクの変種として扱われています。前にも投稿しましたが、再度 種の分類の方法の面から検討してみたいと思います。

種の分類

ヤマシャクヤクの仲間は、ヤマシャクヤクとセイタカヤマシャクヤクとその中間種に分けられます。それらは 自生地、発芽に要する年数、目出しや葉の活動等の時期とその期間、草丈や葉の大きさ等の草姿、花の色等の項目を全体的に勘案して種の判定を行うべきです。でも 現状は花の色だけで、セイタカヤマシャクヤクをベニバナヤマシャクヤクと呼んで、ヤマシャクヤクの変種として扱っています。このセイタカヤマシャクヤクと言う名称は、東北地方で呼ばれている名称の様ですが、花の色で呼ぶ名称よりも適切であると思い、私はこの名称の方を使っています。

ヤマシャクヤクとセイタカヤマシャクヤクの中間種は、まだ 別種なのか一時的な種間雑種なのかは、現在栽培調査中なので まだはっきりした事は言えません。でも 変種か種間雑種にしろ、何かが存在するのは事実の様です。私はこの植物を 発見地が山形なので、その場所に因んで  勝手に「デワノヤマシャクヤク」と言う仮称で呼んでいます。花の色は 赤と白が有るそうなので、先のセイタカヤマシャクヤクをベニバナヤマシャクヤクと呼ぶのは、この点からも不適切になると思います。

標準地栽培による形質の比較

植物の種の判定を行う際 色々な形質を比較しますが、それらは自生地に生えている状態を基に比較されます。でも それらの形質の中には 本来その植物の本質的な形態ではなく、自生地の環境によるものも有るかも知れません。ですから可能な限り それらを同じ場所で、条件を揃えて栽培して比較してみるべきです。ただ この方法は殆ど採用される事は有りません。その理由は 膨大な手間と時間がかかり、何より環境を変えて栽培するには、その植物の本質的な特徴を捉えて栽培法を見つけなくてはなりません。でも 本当の種の判定をするには、とても大事な手法だと思います。

異なる形質の事例

色々な項目の比較は 前回投稿しましたので、今回は標準地で栽培すると、成長時期が これ程異なっていると言う事例を紹介しておきます。

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今年はヤマシャクヤクは、4月10日に咲き始めました。

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そのヤマシャクヤクの開花の時期に合わせる様に、セイタカヤマシャクヤクが芽を出して来ます。ヤマシャクヤクより一月以上遅れています。この開花は5月上旬から中旬になります。