3年目に発芽するヤマユリ

ヤマユリは遅発芽性で、種子を播いてから 2年目に発芽して来るのが普通です。現在進めている耐暑性の強いヤマユリを作り出す計画の中で、播いて3年目に発芽する株が纏まって出現しました。そのヤマユリは 耐暑性の強い株を作り出す為に、21年の初夏に 耐暑性の強い株同士を掛け合わせて 出来た種子で、1蒴約300粒を 1個のプランターに播きました。22年の春には 全く発芽せず、23年春には 100本程の1枚葉が出て来て、その年の秋に 10本程の1枚葉が出て来ました。今年は3年目になるので、去年の春に出た1枚葉が 一部茎立ちして来るのと、去年発芽しなかった残りの種子が 10本か 多くても20本程の1枚葉が出て来ると思っていました。ところが 去年と同じかそれを上回る程の1枚葉が出て来ました。3年目に こんな多くの1枚葉が発芽して来る現象を見たのは初めてです。

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でも何故突然この様な現象が起きたのでしょうか。私がその原因では無いかと思っているのは、気候の温暖化と種子の持つ強い耐暑性です。ヤマユリは 播いた次の年の夏に 高温で被覆が壊れて休眠が解除され、秋に発芽し 地中に小さな球根を作ります。普通はその次の年 即ち2年目の春に地上に1枚葉を出します。ただ 普通の耐暑性の弱いヤマユリは、暑さで種子や球根が腐ってしまうのですが、耐暑性の強い株は高温に耐えられますが その代わり多くが休眠してしまい、地上に1枚葉を出すのが 3年目になってしますのではと 推察しました。その推察の根拠になった現象は、本来秋には発芽しない筈なのに 去年の秋に10株近くが発芽している事です。秋に1株か2株の発芽であれば 株固有の現象とも考えられますが、10株もとなると集団が持つ形質としか考えられないからです。

この傾向は 里山で耐暑性を期待して種子を採取し、家で採取した物と比較用に播いておいた ヤマユリの種子にも現れています。このヤマユリの休眠期間の長期化については、来年種播き後 3年目になるプランターが、2個有りますので その結果を確認すれば よりはっきりして来ると思います。