アロエの花

冬になって アロエの花が咲き始めました。3年程前に ご近所の方から、アロエの苗を分けて頂きました。アロエは 外来の多肉植物で、民間薬や健康食品として 広く栽培されています。家の垣根の外に植えた株が大きくなって、今年 2株が 花を付けました。アロエの花は あちこちで良く見かけますが、実が付いているのを見かけた事は 一度も無く、花を間近で詳しく観察した事も有りませんでした。そこで 今回はその花を良く観察し 受粉して、期待は出来ないのですが 種子を採る事に挑戦してみようと思います。

f:id:tanemakijiisan:20231231194120j:image右側の花は 先に咲いて 既に雄しべは枯れて、その後に 雌しべが伸びて来て その先端が少し開いた状態です。左側の花は 開いた直後で、成熟した雄しべの葯だけが 外に出ています。花は幹の途中から花房を真っ直ぐ上向きに出し、下から順に咲いて行く 無限花序です。開花する花の数は 常時2,3輪が咲き、一つが枯れたら 次の一つが咲き出す様になっていました。花は受粉出来なくても 直ぐには落ちないので、沢山咲いている様に見えますが、実際に咲いている花は ほんの僅かしか有りません。花は蕾の内は 上向きで、咲き始める直前に 真下に向いてぶら下がります。花は直径5,6mm 長さ2cm程の細長い釣鐘状で、赤橙色をしています。アロエは虫媒花で 自家受粉はしない様に、次の様な工夫をしている様に見えます。

・常時咲く花の数を制限する。花粉を受け取った虫が、直ぐに他の株の花に向かう様に仕向ける。ナンテンの花も同様の方法を採っています。

・雄しべの花粉の成熟時期と雌しべの花粉の受粉時期をずらす。雄しべが萎れてから、雌しべが伸びて来て受粉する様にしている。

・虫に花粉を運んでもらう為、花の奥に蜜を置き 雨で薄まらない様に下に向け、花を細くして 虫が葯を擦る様にさせています。

受粉作業

今咲いている2株は 同じお宅から頂いたものなので、株分けされたクローンの可能性が高いので、違う株の花粉を受粉しても 自家受粉になってしまう可能性があります。でも 実が出来る可能性が低くても、無駄を承知でやってみるしか有りません。花の先を毎日観察して 雌しべの先端が伸びて来たら、他の株の雄しべを探して その葯を採取して来て、雌しべの先端に付けてやります。

実の成り方

花が終わっても 花弁はそのまま付いている様です。種子を採った経験が無いので 想像ですが、受粉が上手く行って 実が出来ても、その実は 暫くの間花弁に隠されていると思います。ダメ元で 実が成る事を期待して 見ています。

結果報告

2月15日に花が終わりましたが、残念ながら 実は付きませんでした。来年は近所のあちこちから花粉を採集して、受粉を試みるつもりです。