ヤマブドウの紅葉

ヤマブドウは 紅葉する植物の中で、綺麗に赤くなる 最も大きな葉を持つ植物の一つです。ヤマブドウの元の名前は、「オオエビ(大海老)」です。葡萄が日本に入って来てから、在来の野生種の葡萄を 外来の葡萄より劣り 山に生えるものとして、「山」を付けて 「ヤマブドウ」と呼ぶ様になったのでしょう。平地には ヤマブドウの仲間で「エビヅル(海老蔓)」が自生していて、その葉は小さいのですが 秋には赤く綺麗に紅葉します。その赤色を 茹でた海老の色に見立てて、海老色の蔓植物と言う意味で そう呼んだのでしょう。ヤマブドウと呼ぶ前は 平地には生えてはいませんが  山奥にはそれに似て ずっと大きな物が在るので、そちらを「大海老」と呼んだのでしょう。昔から ヤマブドウは、紅葉の代表格だった様です。

平地で ヤマブドウの紅葉は見られるか

ヤマブドウについては、野性のままの実を 葡萄酒が作れる程 大量に採りたくて 調べ出したのですが、当時は 平地の暖地には 致命的な害虫が多く、庭で栽培するのは無理でした。そこで 高地の自生地に近い寒冷地の畑に ヤマブドウを植えてみたのですが、そこが盆地の底だったので 春先の強い寒気で、実の収穫は出来ませんでした。その際に 何株か植えた雌株の中に、特に綺麗に紅葉する株が 1株有りました。

最近になって 温暖化のせいか、当地の様な暖地に生息する虫の生態が大きく変わり、ヤマブドウに付く 致命的害虫が居なくなり、当地でもヤマブドウの栽培が可能になりました。そこで この綺麗に紅葉する株が、平地の暖地では どの程度発色するのか調べてみる事にしました。自生地程では無くても 夏に十分に日に当てれば、何とか見映えのする紅葉になるのではと、少しは観賞用になるかと期待していました。でも 残念ながら 綺麗な紅葉は 殆ど見られませんでした。やはり 昼と夜の温度差が大きくないと、簡単には 綺麗な発色は出せない様です。

f:id:tanemakijiisan:20231113105120j:image紅葉の観賞を目的として植えた株です。これでは 紅葉は諦めざるを得ません。仕方無いので この株も、実の収穫を期待する事にしました。

これに比べて 果実を採る目的で植えてある株が、全体としては 綺麗な紅葉は有りませんが、今年は長くの伸びた蔓の先端部だけが 何とか見られる紅葉になっていました。そして何故か 紅葉の期間が1ヶ月近くと 長く続きました。

 

f:id:tanemakijiisan:20231113105802j:imagef:id:tanemakijiisan:20231126162056j:image何故先端部だけが紅葉するのか 良く分かりませんが、当地の様な小さい気温差で 一部だけでも紅葉すると言う事は、昼夜の大きな温度差は 紅葉の必須事項では無さそうです。この「先端部だけ」を手掛かりに、もう少しヤマブドウの紅葉を調べてみようと思います。

こんな訳で 残念ですので、紅葉目的のヤマブドウは 当面諦めました。