ヤマユリの発芽状況

2020年11月25日に播いておいたヤマユリが 発芽し始めました。その状況を投稿します。

種子の由来

一昨年の11月に 近くの雑木林の中の散策路を歩いていた時、時折見かけるヤマユリの中に、まだ緑色の葉を付けている株が1株有りました。この時期のヤマユリは 葉が茶色に枯れている筈です。最近のヤマユリは 気候の温暖化の為、葉が以前より早く枯れる傾向が見られます。その傾向が更に進んで、平地の日当たりの良い場所に自生していたヤマユリは、ほぼ消滅してしまいました。今では密な雑木林の中などでしか 見かけなくなりました。

そこで もしかするとこの株は強い耐暑性を持っているのかも知れないと思い、4鞘付いていた種子の1つを採取して 家で播いて、その形質を確認してみる事にしました。

予想される種子の形質

ヤマユリは 他家受粉の虫媒花です。ですから いくら親株の形質が良くても、花粉を貰った周りの株は 耐暑性の無い普通の株なので、期待する親株の形質を都合良く引き継ぐ種子は、多分3割にも満たないと思われます。

耐暑性を持つ株の選抜方法

ヤマユリは 遅発芽性のユリなので、播いてから発芽する迄に1年半かかります。この種子をプランターに播きます。プランターは 縦横30×50cm  深さ15cmほどの大きさです。播床は木炭を7,8cmの厚さに固く平に敷き詰め、その上に 土を2,3cm入れます。普通の土だけの播床に播くと、発芽して一枚葉迄には育ちますが、7月を過ぎると 球根が腐って消えてしまいます。そのプランターを 日照が7時間以上の日当たり良い所に置きます。普通のヤマユリの栽培には、もっと日照が3時間程と 短い所が適地なのですが、耐暑性の強い株を選抜するのが目的なので、敢えてこの様な所に置くのです。こうすると 耐暑性の無い株は、球根は腐らないのですが 7月には葉が枯れて来て、2,3年すると消えていきます。残った株の中で 最も良く育った数株を、他の系統の耐暑性の強い株との交配に使います。

 

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この中に10本発芽しています。見付けてみて下さい。もう暫くすると この倍くらいの密度になります。