ヤマユリの2月の発芽

耐暑性の強い株同士を掛け合わせたヤマユリで、今年はとても早い時期の発芽が見られましたので その様子を投稿します。耐暑性を期待したヤマユリの種子は 2年間で全部で5蒴採り、1蒴に 200から300粒の種子が入っていて、蒴毎に別々のプランターに播いています。今年最初に芽を出したプランターは、播いて3年目の最初のもので 去年の春に100本近くの1枚葉出して、その春に出た葉が枯れた秋に 更に10本近くの1枚葉を出し、その秋の葉がまだ1本枯れ残っている 2月下旬に、もう4本の1枚葉を出して来ました。今迄出て来た株は 全て1枚葉で、播いて2年目と3年目で 計3回に分かれて発芽して来た事になります。ただ 秋に発芽して来るのは 異常な現象です。このプランターの株の多くは 去年に1枚葉を出していますが、置き場所が日照時間の長い所ですので、夏の内に 耐暑性の弱い株は 球根が腐って消え、その比率は分かりませんが 残った耐暑性の強い株が、この春に茎立ちして来ると思います。そこに これ迄発芽せずに残って2年間休眠した3年目の株が、今回春になる前に 発芽して来たのです。ヤマユリやササユリの種子は 殆どが 播いて2年目に発芽しますが、3年目に発芽する種子も 5~10%有ります。ですから このプランターは 春が終わる迄には、全部で20本くらい出て来るのではと予想しています。他の3台のプランターヤマユリは、今年2年目になるこの春に 沢山発芽して来ると思いますが、まだ発芽は 1本しか見られません。プランターの中では 各株に 形質のバラツキは それ程有りませんが、プランター毎のバラツキは 大きい様です。この芽を出す時期も プランターによって、大分違って来ます。即ち 一つの蒴の中では バラツキ小さく、他の蒴の種子とは 違いが大きくなり易いのでしょう。今目的としている耐暑性についても 多分同じ事が言えると思いますが、耐暑性が強いからと言って その蒴の種子だけを使うと、種の多様性が損なわれかねません。

f:id:tanemakijiisan:20240229095201j:image2月末の状態です。1枚葉の発芽は 茎立ちの株より早くなるのが普通ですが、こんなに早く 2月下旬に発芽して来たのは初めてです。やはり温暖化で 暖冬になったせいでしょうか。この早く発芽する形質が、耐暑性の強さに繋がっていれば良いのですが、どうなるかは 1年待たなければ分かりません。

シャクヤクの浅植え

シャクヤクの実生株で 10年生くらいの株のプラスチックの鉢が、去年に経年劣化で 壊れてしまいした。植え替えた鉢が 少し深さが足りなかったので、根茎が表土から浮き上がってしまいました。この株は 毎年花を数輪咲かせる元気な株です。

f:id:tanemakijiisan:20240228170850j:image一般的には シャクヤクは、根茎の上端が 地表から1,2cm下になる様な深さに植え付けます。実生の自然の状態でも その様になります。今回の様な 根茎がむき出しになる 極端な浅植えにすると、どの様な影響が出るのか 観察してみようと思い そのままにしています。春の新芽は 今のところ 普通に出ています。

今後どうなるか 考えられる経過は、次の3通りです。

・このまま 根茎が上がったままで、弱る事なく そのままの状態でいる。

・根茎が弱って 株が枯れる。

・根茎の上に出ている部分だけを枯らして腐らせ、下方の土中に新たな根茎を作って生き延びる。

どちらにしろ 結果が出るまで 数年はかかると思いますが、興味を持って観察してみようと思います。

 

雑草の発芽

2月に入ると、デワノマタタビを植え付けたプランターに、雑草が一斉に芽を出して来ました。この苗を植え付けた用土には、家の外の道路脇に溜まった土を使ってみましたので、その土に生えていた雑草の種子が 沢山混じっていたからです。この道路は 山や我が家の庭に面していますので、そこから流れて来た土が この道路脇にどうしても溜まり易いのです。定期的に取り除いて 山に戻しているのですが、今回は デワノマタタビの用土として、使ってみる事にしました。我が家では 庭や鉢に 肥料を全く与えていませんので、このデワノマタタビにも 特別な用土を使うつもりは無かったので、どんな土でも良く 害が無ければと 使ってみたのです。

f:id:tanemakijiisan:20240223162938j:imageあまり目立ちませんが、中央にある薄緑色をした幹の苗が デワノマタタビです。その苗より左下の部分は、綺麗に引き抜いてあります。用土に混じっていた種子の中で、最初に芽を出したのが イネ科の雑草で、この後 色々な雑草や木が 次々と芽を出して来ます。一見すると 猫草を播いた様に 一斉に発芽しました。

用土に一旦雑草の種子が混じってしまうと、それを取り除くのはとても大変です。高熱を加えたり 薬品を使って雑草の種子を殺す方法は、土中の微生物の消滅や植栽する植物への悪影響が考えられるので 私はやりません。土の中から種子を全て取り出すのは不可能ですので、私はその種子が芽を出した時に 取り除く方法を採っています。取り除くのに 時間はかかりますが、種子を見つけて取り出すより遥かに容易で 確実に取り除けます。ただ 殆どの雑草の種子は、1〜5%くらいは 休眠して 次の機会に発芽する様になっています。稀に3年も休眠して 発芽して来る種子も有ります。ですから 1度完全に抜き取ったからと言って、安心してはいけません。雑草は完全に抜き取っても、その後風や小鳥によって 又入り込んだり、休眠していたものが出て来ますので 定期的な見廻りが必要です。

この雑草を引き抜く時に、土の表面に小枝のチップが敷き詰められていると、出て来た芽を摘み易く 引き抜き易くなります。草や木が大きく成らない内に 引き抜けば、植栽してある植物の根を傷める事は殆ど無いので、出来るだけ小さい内に 抜き取ります。

樹木の夏の酷暑の影響

最近の気候の温暖化で、夏の暑さが 厳しさを増しています。樹木がこの暑さを どの様に受け止めているかが分かる現象が見られますので、その現象を投稿します。

ウメの木への影響

去年はウメの実が 豊作でした。庭に2本有る内の1本は 座論梅の紅梅で、25kg程 実が採れました。座論梅と言うのは 1つの花に3,4本かそれ以上の雌しべが有り 強い自家受粉性を持つ株です。そのまま放任すると 花が全て結実して 実が成り過ぎてしまい、激しい成り年と裏年を起こします。この木も 実が20kg以上採れた翌年は、必ず花の数が極端に少なくなり、実が少ない裏年になっていました。この木は 枝が繊細なので 剪定も摘果も殆どせずに、放任しているので 必ず成年と裏年を起こします。ですから この木は本来ならば 今年は裏年で 花の数が極端に少なくなると思っていました。ところが 今年も花の数は多く、去年と殆ど変わりません。

f:id:tanemakijiisan:20240214171230j:imageこの花の数からすると、今年も豊作になると思われます。何故この様な現象が起きたのか、その原因を考えてみました。考えられるのは、やはり去年の夏の環境しか考えられません。去年は実を多く付けた事以外に、夏の気温が 例年より暑かったので、樹木は弱っているのではないかと思っていました。でも 実際にはこの株は この花の咲き具合を見ると、去年の夏は 実を多く付けて弱った分を回復させて、更に余った勢力を蓄えた事になります。去年の夏は 関東圏は雨は少な目でしたが、水不足と言う程ではなく 日照時間は多かった様でした。去年は 暑さ対策として 乾燥防止用に、庭に何時もの年より 厚く枯葉や植木の剪定屑を敷いて置きました。その効果も少しは有った筈ですが、 それよりも 樹木は 思っていたよりもずっと暑さには強いのかも知れません。

もう1本のウメは、これも強い自家受粉性を持つウメですが、毎年強度の剪定をしています。去年は実を例年並みに成らせて、今年も例年通りの花の数で、暑さで弱った様子は全く見られません。

亜熱帯やそれに近い樹木は、水不足が無く 日照時間が十分長ければ、かなりの暑さにも耐えられるのかも知れません。

柑橘類への影響

今年の全国的な傾向ですが、柑橘類は 例年に無く豊作で 味も良い様です。何処の家の庭の柑橘類を見ても 大豊作で、我が家のユズやレモンやキンカンも大豊作になりました。少なくとも 温暖化や夏の酷暑の影響が、悪く出た事は無いのは事実で、この豊作は 柑橘類が厳しい暑さに 十分耐えられるからでしょう。

f:id:tanemakijiisan:20240215144950j:imageこのレモンは 毎年良く成るのですが、今年は更に多い様に思います。

その他に 庭の実生の柑橘類で 何が成るのか分からなかった株が、今年初めて ナツミカン系の実を 7個付けました。実生なので まだ当分実を付けないと思っていましたが、今回の柑橘類の大豊作の要因と同じ理由で、普通より早く かつ多めの実を付けたのではないかと思います。

その他の樹木への影響

暖地の我が家の庭に植えて もう40年以上経つ 寒冷を好むリンゴは、今だに花を付けません。ただ 去年は全国的にリンゴは、柑橘類とは逆に不作の様ですが、去年の夏の暑さに耐えられず 樹勢が弱ってしまったのか、暑さで実が付かなかったのか 理由は良く分かりません。

とても意外だった木は、水不足にとても弱いので 暑さには弱いと思いがちなサンショウが、厳しい暑さに強かった事です。周囲の土の表面が乾燥しない様に、これにも十分に枯葉や剪定屑を敷いて置きました。植えてある場所は 直射日光の良く当たる所なのに、夏に葉を落とす事なく 枝も伸ばして、10月末まで葉が付いていました。

全般的な影響

関東地方で見られる樹木は、夏の暑さで 弱ったり枯れたりした木は 無さそうですが、全ての樹木が 暑さに強いとは 限りません。この先 温暖化が更に進んで 夏の暑さがもっと厳しくなると思われます。詳しく観察して行けば、どう言う樹木が どの位の暑さに耐えられるのか、分かって来ると思います。

立春寒波に耐える梅の実とヤマユリ

この冬に 関東には2月5日から6日にかけて、南岸低気圧による大雪が降りました。でも 最も寒い時期の寒波としては、例年よりもう一つ寒さが弱い様に感じました。2,3cm積もった雪も、当地では翌朝には すっかり寒く溶けていました。やはり 温暖化の影響なのでしょうか。その雪が溶けた後の 庭を様子を投稿します。

花後の冬至

1月上旬に満開になった冬至梅は、立春を迎える頃には 花もすっかり終わっていて、今回の雪も 翌朝には 花がらや枝には 全く雪は残っていませんでした。この冬至梅は とても珍しい株で、非常に自家受粉性が強く、花の時期に周りに 咲いているウメが無くても 良く実を付けます。果樹は 一般的に 早く採れる品種の方が 高く売れるので 自然と早い品種に移行するのですが、ウメは加工食品ですので 早く収穫しても 価格はそれ程上がりません。反対に 早く花が咲くと 冬の低温で、受粉不良と出来た子房が凍って不作になりますから、花が早く咲く冬至梅は 実梅としては 全く使われなかったのです。でも ここ50年程の温暖化による冬の気温の変化を見ていると、関東以西の暖地の冬の低温の程度ならば、ウメの受粉や花後の子房は その低温に何とか耐えられる様になったのではと思います。

10年くらい前から 良く実を付ける様になった我が家の実生の冬至梅は、花後の子房が 大きく成り始める時期が、冬の最も寒い時期に重なるのです。でもこの株は これ迄に何回か 花後に雪が積もった事が有りましたが、子房が凍って落ちた事は有りませんでした。

f:id:tanemakijiisan:20240207115811j:image雪の降った翌日の2月7日の様子で、雄しべの間から もう子房が膨らみ出しているのが見えます。冷害を受けた様子は 全く見られません。

早咲きのウメに限らず 普通のウメも、最近は開花時期が早くなって来ました。花の時期が早くなると満開の時期が、最も寒い時期になってしまっています。でも 4,50年前迄は ウメが冷害に遭って 不作になったと言う話は良く聞きましたが、最近はその様な話は あまり聞かなくなりました。とすると 真冬の気温が、上がって来たからなのでしょうか。

ヤマユリの木子の出葉

1月下旬になって ヤマユリの木子が、小さな1枚葉を出して来ました。因みに 1月に投稿した 秋に葉を出したヤマユリの種子の発芽苗の1枚葉も、今回の雪が積もっても 全く変化は有りませんでした。葉を出した木子の親株は、耐暑性の強い株です。もしかすると ユリの耐暑性と耐寒性は関連が有り、耐暑性が高くなると 耐寒性も高くなるのかも知れません。

f:id:tanemakijiisan:20240207174344j:image葉の直ぐ左の枯れた茎が親株で、中央の1枚葉は その木子です。この他にも もう1本 別の鉢にこの様な木子の1枚葉が見られます。木子の1枚葉の出葉は、茎立ち株の芽出しより早くなるのが普通なのですが、1枚葉は 通常3月中旬で 1月中に葉を出したのを見たのは 、20年以上ユリを栽培していますが これが初めてです。しかも 今のところ この葉は、寒さや雪の影響を全く受けていません。多分 この葉はこのままで冬を越し、春になったら 2枚目の大きな葉を出して来ると思います。実生株だけでは無く 既存株の木子にも、温暖化の影響を受けて 形質が変化する株が出て来ているのでしょうか。もしこの株が 来年もこの形質を現したとすれば、この木子株は 形質を変化させている事になります。樹木で極稀に見られる「枝変わり」と呼ばれる現象と同じです。樹木が新しい枝を出す為の新芽を作った時、その新芽が突然変異で その形質が元の株と違うものが出来てしまい、その芽が伸びて 伸びた部分は 全て変化した形質になり、その枝全体が まるで元の株とは違う 枝接ぎの様になります。果樹や観賞用樹木では、この変化した枝を見つけると それを接木や挿し木によって増やし、新しい品種として商品化しているのです。この現象は 人が一生で一度出会うかどうかの頻度で、もし 環境や生理的に不都合な形質であれば、枝は伸びずに 人目に触れる前に枯れてしまう枝変わりが多いのでしょう。木子の方は 草の枝変わりに相当する現象で、翌年には 別の株として分離独立して 増殖します。

これに比べ 実生による形質の変化は、親株と同じ形質を持った株は ほんの僅かで、親株と似てはいても 千差万別の形質を持ちます。この変化の中に 温暖化に適している変化が有れば、温暖化を生き残る有力な手段になります。

ユリの木子に関しては、変化の発生頻度は 樹木の枝変わりより 遥かに高いのではと 感じています。これもユリの生き残り戦略なのでしょう。

このユリの木子を 大事に育てて どの様な株になるのか見守りたいと思います。

 

 

 

立春のニホンタンポポ

2月初めに 散歩と買い物を兼ねて 街を歩いていると、街路樹の脇に シロバナタンポポが 1輪咲いているのを見付けました。良く見ると 花が3輪も付けてます。

f:id:tanemakijiisan:20240202170513j:imageこのタンポポも 温暖化と暖冬のせいで、真冬に花を咲かせたのでしょうか。在来種の黄色や白の花のニホンタンポポは、セイヨウタンポポに押されて 最近その数を大きく減らしています。外来種セイヨウタンポポの強烈な繁殖法に、在来のニホンタンポポは 太刀打ち出来ないからでしょう。セイヨウタンポポは、黄色の花を春から秋まで咲かせ、受粉せずに クローンで 種子を作ります。それに比べ ニホンタンポポの方は、黄色や白の花を 春だけ咲かせて 受粉して種子を作っている様です。これでは 在来のニホンタンポポの方が、種子の数で圧倒的に 劣ります。以前は花の裏側を見て、萼が反り返っていれば セイヨウタンポポで、花に沿っていればニホンタンポポと区別していました。でも 最近はニホンタンポポセイヨウタンポポの交配種が現れて、簡単に区別が出来なくなって来ています。

ニホンタンポポの内 白い花を咲かせるシロバナタンポポは、関西に多い様に思いますが、関東でも時折り見かけます。これにはまだ セイヨウタンポポとの交配種が、見られたと言う情報は聞いていません。私の情報不足で 実際はもう交配種が存在しているのかも知れませんが、どうでしょうか。この先は まだ交配種が存在していないとして 話を続けます。

今回紹介した株とは別に、近所の山道に差し掛かっ所でも 毎年春に咲くシロバナタンポポが有りますが、こちらは 春以外に花は見られません。シロバナタンポポは、花の色で直ぐに在来種と分かるので 助かります。シロバナタンポポは、関東では元々数が少なかったのですが、セイヨウタンポポが増殖しても 不思議な事に、更に数が減った様には感じられません。少数で安定している植物は、何か特殊な生き抜く能力を備えているのでしょうか。この花を見ると とても頑張って生き延びている様に思えます。

 

 

ギョウジャニンニクの収穫と試食

20年近く前に 発泡スチロールの箱に植え付けて、植え替えも施肥もせずに 水やりだけをしていたギョウジャニンニクの箱が、遂に底に大きな穴が出来てしまいました。

f:id:tanemakijiisan:20240201095152j:image箱の左下が溶けて 穴が開いてます。

栽培の経緯

ギョウジャニンニクは 寒冷地の山菜で、東北や北海道では 熊に出会う危険を押してでも採りたい程 魅力的な山菜の一つと聞いていました。山取りは 乱獲のせいで少なくなり、最近は寒冷地での栽培品が多く出回っています。図鑑等には 暖地では栽培が難しいと書かれていましたので、20年近く前に 近くの神社の植木市で 鉢植えで売っていたのを見かけた時に、本当に暖地では栽培出来ないのか 確認してみようと1鉢買い求めてみたのです。それ以前から 寒冷地の植物は、発泡スチロールの箱で栽培すると 暖地でもよく育つと言う印象が有りましたので、このギョウジャニンニクも そうすれば 当地でも栽培出来るのではないかと思ったからです。更にもし 上手く栽培出来れば、種子を採って 実生株も作ってみようと思いました。

買い求めたギョウジャニンニクは 1鉢に2株入っており、家に帰って直ぐに 発泡スチロールの箱に植え付けました。箱には 底に木炭のかけらを敷き詰めた上に 庭土を入れ、植え付けた後に 表面に小枝のチップを敷き詰めておきました。

結果は やはり発泡スチロールの箱は、ギョウジャニンニクにとっては 暖地では適している様で、暫くすると 箱いっぱいに 株が増えて 花も沢山付けました。ただ 花は良く咲くのですが、暖地では受精が上手く出来ない様で、種子は ほんの僅かしか採れませんでした。でもこれで 発泡スチロールが、ギョウジャニンニクの暖地栽培に適している事は 確認出来ました。発泡スチロールの箱は、5,6年もすると 植物か虫の出す成分で、底や側面が溶かされて穴が開いて来ます。動かさずそっとしておけば 20年近く使えますが、10年を過ぎたら 様子を見て 壊れそうな箱は 新しい箱に替えるのが良い様です。

ここ迄の ギョウジャニンニクの栽培の詳細は、以前 何回か投稿していますので、関心のある方は そちらの方を読んでみて下さい。

食べる事にしたきっかけ

しかし ここ2,3年は 株が古くなったせいか、花を付けなくなってしまいました。丁度 箱の底の一部が無くなり 種子も採れなくなったのを機会に、この箱の全部の株を掘り出して 食べてみる事にしました。元々ギョウジャニンニクの栽培は、収穫して食べる事が目的では無かったので、ギョウジャニンニクの食べ方も知らず 去年まで 食べた事は有りませんでした。去年の晩春に 試験的に 大きい葉を20枚程採って、おひたしにして食べてみたのが 初めてでした。葉は緑色で柔らかく 不味くは有りませんが、香りも味もあまり感じませんでした。収穫時期と緑の葉の部分が、食べるのに適していなかった様に思います。そこで今度は 緑の葉が 1cm程伸びた1月末に、収穫してみました。このギョウジャニンニクとは直接関係ありませんが、掘り起こした土の中から 5,6匹のミミズが出て来ました。我が家では 庭や鉢に農薬や化学肥料を一切使っていませんので、ミミズにも居心地の良い環境なのでしょう。ギョウジャニンニクにとっても、ミミズとの共生は 好ましい環境と言えます。

収穫作業

f:id:tanemakijiisan:20240201202941j:image株を箱から掘り上げて 土を綺麗に落とした状態です。

ギョウジャニンニクの栽培では、掘り出した中の 太い株だけを収穫し、細い株は また植え直しておきます。その株が 大きく育ち 分球しますので、また その中の大きく育った株を収穫する方法を 何度も繰り返します。現在の私の方針は、暖地である当地で 栽培して増やす株は、家で採取した種子から育った株だけにしています。ですから この寒冷地産の細い株は、栽培するつもりが無いので 細い株も食べる事にしました。

寒冷地での栽培方法は 収穫の前年の秋に 収穫する株に土を深く被せて、白い部分を長くして 収穫する 「軟化処理」と呼ぶ栽培法を採っています。関東でのネギの栽培と同じで、消費者の嗜好に合わせた状態にして 出荷しています。

株の掃除と食べ方

掘り上げた株は、根と茎の下の硬い部分を切り取り、外側の汚れた薄皮を取り除きます。

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今回は これを刻んで、餃子の具に ニンニクとショウガの代わりに入れて 食べてみました。写真の量で 25個分に入れて、餃子を作りました。今度は ギョウジャニンニクの香りと味が しっかりと有って、とても美味しく感じました。やはり寒冷地の人がしている様に、白い部分を使うのが 美味しい様です。これなら 「ギョウザニンニク」と洒落ても ピッタリかも知れませんね。

来年の収穫と試食の予定

我が家に有る寒冷地産のギョウジャニンニクの株は、この株から3,4年後に 他家受粉用に、長野県の「道の駅梓川」で買い求めた株が もう1箱有ります。この株も同様に栽培すると 良く育ち 最初の株より増えましたが、他家受粉をしても 種子は 僅かしか採れませんでした。こちらの株も 今は花が咲かなくなりましたので、来年はこの箱の株も 食べてみようと思っています。今年収穫した株は、去年の晩春に 大きな葉を収穫してしまいましたので、株が少し痩せたのだと思います。来年収穫予定の株は、葉を採るつもりは無いので 今回の株より もっと太い株が採れると期待しています。ついでに 次回は葉が枯れた9月に、寒冷地でやっている様に 箱の周りに囲いを付けて 落ち葉を数cmかけて、軟化処理を試してみようと思っています。結果がどうなるか また来年投稿しますので、期待していてください。

暖地産の株の試食予定

現在では 当地で採取した種子から育った株が、寒冷地産より大きく育ち 数も増えて来て 種子も沢山採れています。2,3年後には それ等の株から少し収穫して 食べ比べてみて、食材としての価値を調べてみようと考えています。もし それが食材として 寒冷地産と同等かそれより良ければ、暖地で採れた種子から作った株を 暖地で栽培する方法は、成長も早く 種子も沢山採れ 収穫時期も寒冷地産より早いので、競争力の有る栽培法と言えます。ギョウジャニンニクは、この様に暖地で栽培しても 障害になる病気や害虫が無く、施肥や消毒も要らない とても作り易い作物ですが、唯一の欠点は 種播きから収穫迄の時間が長い事です。でも 暖地栽培ならば これをもっと短く出来ます。ただ 関東の暖地で栽培するには、関東圏では 食べ慣れた食材では無いので、まず消費者を増やす事が 必要でしょう。