数年前に園芸店を覗いた際に、「百目柿」と名札が付いた柿の苗木を見つけました。子供の頃に 実家の庭に植えてあった 懐かしい果樹でしたので、早速買い求めて 庭に植え付けました。私の記憶では、実の重さが１００匁にもなる 大きな甘柿なので、この名が付けられたと聞いた覚えがあります。でも その実を甘柿として食べた記憶は有りません。多分果樹として上手く育てられなかったのだと思います。それでもう一度 自分で作って、その柿を食べてみたいと言う気になったのです。
我が家の庭には 果樹も何本か有りますが、若い頃は 木が大きくなる様に 育てていたので、皆大きくなり過ぎて 最近はその手入れがとても大変になって来ました。そこで今は 出来るだけ樹形を小さく整える剪定法を採っています。この柿も 収量は少なくなっても、高さ ２.５ｍ程に抑えて剪定しています。去年からやっと花を付ける様になりました。今年は花を沢山付けましたが、実が大きくなったのは ４個だけでした。内 ２個は 熟す直前まで大きくなりましたが、落ちてしまいました。残った２個は 触ると弾力が感じられる様になったので、１０月２２日に収穫しました。重さを測ってみると、約 ２４０ｇでした。１００匁には まだ大分足りない様です。中身がしっかり甘柿になっていれば、大きさは気にしないのですが、残念ながら甘味の方も もうひとつでした。原因は受粉が上手く行かず、種子が２個しか入っていなかったからです。種子が完全な８個迄とは言わない迄も、少なくとも６個ぐらいは入ってないと、甘い実にはなりません。果物を作る場合は この受粉が一番重要で 難しいのです。この柿もその点を考えて 枝が重なり合う程の近くに、古い実生の柿の木が在る位置に植え付けました。心配していた開花時期もほぼ同じだったので、いい結果を期待したのですが、それでも駄目だった様です。ただもう少し樹が古くなって来ると、受粉も改善されて来る事も期待されますので、もう少し様子を見てみようと思います。昔の実家の柿も この受粉が上手く行かず、甘柿にならなかったのでしょう。種子は早速プランターに播いて置きました。上手く生えて来ても もう我が家の庭には、木を植える余地など全く無いのですが、種子を播く習性が染み付いてしまったのでしょうか。
