ウケユリに挑戦

ウケユリは 奄美諸島の請島に多く自生するユリなので、「ウケユリ」と名付けられたそうです。最近はその数が激減して 絶滅危惧種に指定されています。その原因は 乱獲と栽培の難しさに有ると言われています。ササユリも同じ原因で 減少していますが、私の調べたところ ササユリの場合は、人の生活形態が変わって 里山が無くなり、土壌の富栄養化が起きてしまった事も、その原因の一つに有ると思います。そこでもしかすると ウケユリにも その同じ原因が有り、且つ ササユリやヤマユリと同じ栽培法が適用出来るのではないかと思いました。それを確認する為、今年からウケユリの栽培にも 挑戦してみる事にしました。上手く行くかは分かりませんが、その様子を定期投稿しようと思います。

植え付け作業

時期が少し遅いのですが 2月上旬に、知り合いの園芸業者に理由を話して、球根を2個譲って頂きました。早速ヤマユリと同様の 縦長のプラスチックの鉢を用意し、その下半分に木炭を固く詰め込みました。頂いた球根の内1個は 分球していました。ササユリやヤマユリでは、移植の際 球根の下の根は 根元から完全に切除しておかないと、後で球根が腐る原因になります。そこでこのウケユリも 下根を取り除いた球根を、平にならした木炭の上に置きました。そこに 肥料分を全く加えていない土を、球根の倍の高さ迄入れ、その上に乾燥した小枝のチップを、1cm程の厚さに敷き詰めました。

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日常の管理

葉が繁るまでは 水遣りは不要ですので そのままそっと見守っていると、3月中旬に 芽を出して来ました。早咲きのヤマユリと同じ芽出し時期でした。鉢の置き場所は 1日8時間程の直射日光が当たる所にします。近年では 当地は熱帯夜が30日以上有りますので、この高温と日照に耐えられれば 耐暑性は高いと判定出来ます。

葉が繁って来れば、雨の日を除き 毎日水遣りをします。肥料は 株が大きくなっても全く施しません。施肥の代わりに チップが腐って少なくなった時は その分を補充します。消毒は アブラムシが付いても、柔らかい刷毛等で払い落す様にし 農薬は使いません。雑草が生えれば 手で引き抜きます。

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調査内容とその判定

この挑戦の最初の判定は 7月に分かります。柔らかい用土に植えたり 下の根を取り除いていなかったりすると、花期の前後に 球根が腐って来ます。また 耐暑性が低い個体であると、同じくその時期には枯れて来ます。無事に花が咲けば 自家受粉と他家受粉の可否を調べ、木子の作り易さについても確認します。種子が採れて それが発芽し 育って 耐暑性の高い株が得られて、初めてこの挑戦が成功したと言えます。もしこの栽培法で 十分な種子が採取出来 木子も採れれば、高い耐暑性が確認され また個体数の激減の原因の一つに、土壌の富栄養化も有ると考えなくてはなりません。時間はかかりますが これ等の結果は、個体数の激減の原因とその対策について、参考になる資料が得られると思います。