乾燥小枝チップ

冬は植物の手入れの少ない 暇が出来る季節です。また 庭や畑の植木の剪定をする季節でもあります。私はこの時期に その剪定した枝を捨てずに使って 小枝のチップを作っておき、それを年間の鉢物の植物の管理に使っています。

作り方

・材料

使用する樹種は、ウメ,カキ,サルナシ,リンゴ,ヤマブドウ,柑橘類等の果樹、モミジ,モクセイ,ヒイラギ,イスノキ,ニシキギ等の庭木を使っています。常緑樹は 葉を外した枝を使い、葉は庭の緑肥に使います。樹種は出来るだけ多い方が、チップの成分に偏りの少ない物になります。

・用具

小枝の切り分けには 剪定鋏を使い、太枝や堅い枝は 小型の鋸を使っています。

・切り分け

チップの長さは、太さ0.5cm程迄の小枝は 1.5cm程に、太さ1.5cm程迄の枝は 1cm程に切り分けます。太さが1cm以上の太い枝は、縦に4から5等分します。太さ1.5cm以上の枝は、樹皮の部分の割合が少なくなるので チップには使いません。

太さ7,8cm以上の枝は、伐採したすぐ後の まだ樹皮の軟らかい内に 長さ 30cm程に切り、樹皮を剥がして それを小枝と同じくらいの大きさに切り分けます。

・作業期間

剪定作業は 12月から始め、1月中には終える様にします。

・乾燥

剪定は 一度では無く 何度かに分けて行っていますので、その都度 出来たチップは、室内の組み立て式の棚に 新聞紙を広げて、2cm程の厚さに広げて乾燥させます。乾燥期間は 最後に作ったチップが 2ヶ月以上になる様に 完全に乾燥させます。生乾きの場合は 早く腐ったり、保管中にカビが生えてしまいます。カビは効能には問題ないのですが、使う時に埃っぽくて とても不快に感じます。

・保管

乾燥を終えたチップは、全体を良く攪拌して均等に混ぜてから 密封チャックの付いたポリ袋に入れて、冷暗所に保管します。1度に使う量を目安に 小分けしておくと 使いやすいです。開封しなければ 数年は持ちます。

使い方

・乾燥防止

鉢植えの鉢の表面にチップを撒くと、通気性を確保しながら 表土の乾燥を防ぎます。厚さは チップを触っても 表土が現れない程度に敷き詰めます。一度完全に乾燥させたチップは、毎日の水遣りの水分に触れても 簡単には腐らず2年程は持ちます。これに比べ 草や落ち葉は、十分に乾燥させていても 水に触れると簡単に腐り 半年も持ちません。

・肥料分の補充

野生植物は 基本的には施肥は不要ですので、このチップを施して置くと 大抵はそれだけで十分です。実生のボタンの場合でも、このチップだけで 毎年立派な花を咲かせ 種子も採取出来ています。特にヤマユリやササユリの場合は、肥沃な土壌は厳禁で 天然の肥料であっても 施すと 直ぐに球根が腐ってしまいます。でもこのチップは、2年程してから腐り始めて 少しずつ肥料分として効き始め、これ以外何も施さなくても 10年以上花を咲かせて 種子も採取出来ています。

・雑草の除去

チップが有ると雑草が生え難くなり、生えても表土に水気が有って柔らかいので、容易に根から引き抜けます。

 

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