春の草木

庭のヤマユリに、意外な姿を見せている株が有りますので、それらを中心に紹介します。

 

ヤマユリ

今年は全般的に草木の季節の進み方が早い様に感じますが、ヤマユリもかなり早い様に思います。毎年花を咲かせている株は、もう3個の蕾が見えて来ています。ヤマユリの栽培を本格的に再開して、今年で3年目になります。10年以上前に、熱帯夜が続く様な暑さになった為、殆どのユリは消えてしまいましたので、それ以来ユリの栽培は休んでいました。でもヤマユリが1株だけ消えずに残って、毎年花を咲かせていました。そんな時放置しておいた鉢に、小さい株が生き残っているのを見つけました。多分以前栽培していた株の種子が落ちて、出来た実生株の生き残りだと思います。この状態を観て耐暑性の強い株を作る目的で、ヤマユリの栽培を再開する事にしました。その栽培過程の中でそれ等の生育の様子を見ていると、後で見つけた耐暑性の強い株は、耐暑性が強いだけでなく長い日照時間にも耐えられる形質を持っている様です。一昨年の初冬に、後から見つかった株に出来た多くの木子を、一株づつ鉢に分けて植え付けました。それらの株は、去年は葉の枚数が5,6枚から10数枚で、花は付きませんでしたが、10月末まで葉はしっかりと青々と残っていました。耐暑性の弱い株は、花が咲いても7月中旬には枯れてしまい、普通の株でも9月末には枯れ始めます。そこで去年の秋にこの葉が遅くまで残った7,8株に、紐を結んで印を付けて追跡調査する事にしました。この春の途中経過を見ると、これらの株が異常に大きくなっていることが分かります。前年に花を付けなかった茎の細い株が、今年になっていきなり花を3輪くらい付けそうな大きさになるのは異常です。花が1輪づつ増えて行くのが、肥料を与えない場合の普通の生長速度です。これはこの株が、夏の日照時間が長い環境に耐える形質を持っていたからで、その為球根を異常に大きくする事が出来たのでしょう。普通のヤマユリは、日照時間が長く周りの草丈が低い、日差しの強い環境の所では生育できません。やはりこれは特別な形質を持っている株の様です。この形質は耐暑性を持つ株を作る上で、とても良い助けになります。これらの株が花を咲かせましたら、またその姿を報告します。

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紐が結んであるのは、去年の茎です。

 

もう一つ今年はヤマユリに珍しい現象が見られました。それは球根が鉢の中で分解した様です。この春に前年は1株だった鉢に、中小の沢山の芽が鉢の全面に出て来たのです。一昨年鉢に植えたヤマユリの球根が、去年の夏から秋にかけて何らかの原因で、球根が分解してしまった様です。ヤマユリは植えられた土壌の状態が悪いと、芯の茎が腐り球根の分解と同時に全体が腐って消えるのですが、今回の鉢は底にしっかりと炭を敷いてあり、土壌の状態が良かったので分解しても腐らなかったのでしょう。バラバラになった鱗片が新たな木子を作り、それぞれが独立した株になって芽を出したのでしょう。これと同じ様なやり方は、園芸業者が一度に多量のユリの球根を作る時に使われます。その分解の原因と考えられる現象としては、球根の下部の横から出た根の牽引力によって、球根の下部の茎が引き裂かれて、球根が分解した事が考えられます。

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アシガラサンショウ

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花が終わった姿で、一房の中に5,6個の両性花が付いていた花です。実が育つのはこの内の2,3個でしょう。雌しべは1本で、周りに枯れた雄しべが見られます。

 

タツナミソウ

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庭の白のタツナミソウが見頃です。この草も年と共に少しづつ移動して行く様です。7,8年前に植え付けた時は、ここより30cmほど離れた所でした。

 

次回も庭の草木の変化を紹介します。