3月中旬の庭

春の彼岸頃になると、いろいろな草木が動き始めます。以前に紹介した庭の草木の動きを追って紹介します。

ギョウジャニンニク

去年の9月に二度目の葉を出した株は、1月中旬に寒さで葉が枯れました。でも2月中旬には、他の普通の株と同様に葉を出して、3月中旬には葉が伸び終わりました。この1年を振り返ると、この株は二毛作だった事になります。今期もそうなるのか、またその分増殖が増すのかを継続して観察しようと思います。宿根草で年に二度葉を出すなど聞いた事が有りません。花を付ける大きさになったら、二度花を咲かせるのか興味の有るところです。

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ザロンバイ

今年のザロンバイは成り年で、3月中旬ではまだ実は落ちませんので、この様な姿になります。この後余分な実が落ちてもまだ実が多過ぎて小さい実ばかりになり、さらに来年は裏年になり花も僅かしか付きません。ですから花粉樹に使う場合は、この時期にうんと強く摘果しなければなりません。

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アシガラサンショウ

アシガラサンショウの実生株に初めて花が付きました。小さい蕾の時は雄花の様に見えましたが、蕾が膨らんでくると雄しべの中心に、雌しべが有るのがはっきり分かって来ました。初めての花なので数房しか有りませんが、どの花も同じ様に雄しべと雌しべが有る両性花でした。どうやら雄株の中の僅かの両性花から一世代を経ただけで、数世代かかると思っていた目的の完全な両性花の株が出現した様です。これからこの株の着果率や、兄妹の株の両性花の現れ方や、この株の実生株等を観察して行くつもりです。

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実生の両性花の蕾、これから雄しべの葯が開く。

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普通の雄株の雄花、雄しべの中に雌しべは見えない。

 

ヤマシャクヤク

ヤマシャヤクの蕾がもうこんなになっています。4月初めには咲き始めます。

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ヤマユリ

耐暑性の強いヤマユリの株の芽出しです。ユリは毎年少しづつ同じ方向に移動します。このユリも始めは鉢の中心に植え付けたのですが、2,3年前に鉢の端まで来てしまいました。端まで行ったらその後どうするのか観察しているところです。今のところ端にくっついたままです。面白いのは球根のすぐ上の茎に付く木子も、親株と同じ方向に移動して行きます。クローンなのでまるで同じジャイロを備えているかの様に振る舞います。この同じ方向に動く理由は、球根の構造に因るのだと思います。ユリの球根は一見すると、鱗片が真上を向いているので茎も上を向いている様に思いがちですが、鱗片が真上を向いているのは茎から出た枝が上を向いているからで、元の茎は横を向いていて球根はその方向に移動するのでしょう。

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次回はウメの種子が持つ二段階の発芽抑制機構を紹介します。